東京農業大学

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国際交流・留学

農業をしていくには具体的且つ現実的な計画が必要と痛切

米山 仁子 さん

留学先:ブラジル アマゾニア農業大学(海外短期留学)

地域環境科学部 造園科学科 4年(2014年時点)

UFRAにて「大根踊り」

ブラジル短期留学での当初の目的は、アグリフォレストリーというものをこの目でみて体験すること、そしてブラジルの文化、雰囲気を肌で感じることでした。私は東京農大に入学したものの、農業のことはあまり学ばずに卒業となりそうでした。

そこで、今回の短期留学プログラムに参加することに決めました。この三週間のプログラムでは農業、園芸、水産等の農場や工場の見学をはじめ、トメアスという、日本人入植地としては最も歴史が古い街での2日間のファームステイが主な内容です。ここから、3週間の活動内容の一部を振り返りたいと思います。

ブラジルでは、農大の提携校であるUFRAカスタニャールキャンパスに主に滞在させていただきました。滞在した際、最も印象的だったのは現地でのアサイーの高騰の話です。アサイーはブラジル原産のヤシ科の植物で、アマゾンの先住民が生き抜くために食してきた希少な果実。1粒あたり5%ほどしかない可食部に多くの栄養素を蓄えており、その優れた栄養価から「スーパーフルーツ」と呼ばれています。

そんなアサイーですが、元々は貧困層の人に食されていました。しかし、ここ10年海外輸出によって高騰したアサイーは現地の人が購入することは難しくなっている現状を知りました。今まで1リットル1レアル(約46円)だったのが15レアルにまで跳ね上がってしまったのです。高騰により、現地の人は食べれなくなり困っているという話を聞き、衝撃を受けました。

9月に入り、ファームステイをする予定のトメアスへと向かいました。カスタニャールから4時間かかった先にトメアスはあり、現在でも300戸余りの日系人家族が暮らしています。 トメアスはアグロフォレストリーともに発展してきた街です。アグロフォレストリーは、「森林農法」とも呼ばれる、樹木と草本性の作物や家畜を組み合わせて栽培する方法。森林伐採後の荒廃した土地に、多種多様な農産物を混合して栽培する農法が確立され、「森を作る農業」と呼ばれています。

森林減少が続くブラジルにおいて、持続可能な土地利用を行いつつ、生物多様性を保全する森林再生の方法として注目されています。この方法をとっている農家の一つ、クボタさんのところに私はファームステイをしました。アグロフォレストリーを実践されている農場の見学、そして美味しいご飯とあたたかなクボタさん一家と過ごしたこの2日間は3週間で最も充実した日々でした。大変お世話になったクボタさん一家に大変感謝しています。

3週間という短い期間でしたが、随分とブラジルが身近な存在になったと思います。一方で、移住の大変さ、苦労したであろうことを身をもって実感しました。私が行ったのはブラジルの冬であったものの、とても暑く、あのような環境下でひとつの農法をつくりあげてこられた日系の方々に敬意を払わざるをえません。「どの土地でもその土地の使い方があり、真実はその土地の数だけある」とおっしゃった、農大OB松栄さんの言葉を思い出します。

なんとなく広大な土地があるから農業ができそうな気がして、といった甘い考えは通用せず、ある土地で農業をしていくには具体的且つ現実的な計画が必要なのだということをこの留学を通じて改めて感じました。帰国してから、日本での様々な景色が違って見えるようになりました。このブラジル留学の経験はどこかで活きてくると信じています。

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