東京農業大学

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進化する東京農大

平成29年度 卒業式告辞

学位記を授与された皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

これまで物心の両面において、多大な支援を続けて来られたご父母、ご家族の皆様に対しましてもお祝い申し上げます。

本日は、皆さんの晴れの姿を祝うため、明治29年から30年間にわたり本学の経営を支えた公益社団法人大日本農会から染会長、17万余の本学卒業生を代表して校友会三好会長、本学に対し多大なるご支援をいただいている風間教育後援会会長、そして本学からは、理事長をはじめとする常務理事、理事、監事など多数の方に、ご登壇いただいております。
関係の皆さまにも改めて御礼申し上げます。

本日は、大学院農学研究科、応用生物科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部、短期大学部合同の学位記授与式であります。そして、記念すべき学位記授与式でもあります。

もちろん、ここにいる卒業生全員が記念すべき学位記授与式を迎えているわけですが、短期大学部においては、所属する全学生が卒業することとなり、本年3月31日をもちまして創設68年の歴史に幕を閉じることとなりました。

昭和25年に農業等に必須な専門教育を授ける2か年の教育機関である東京農業大学短期大学を東京農業大学に併置しました。その後、各科の改組が進められ、平成2年には東京農業大学に併設する短期大学との位置づけを明確にするため、短期大学部と名称を変更しました。平成4年には農業科は生物生産技術学科と環境緑地学科に分離し、醸造科と栄養科を醸造学科、栄養学科に名称変更しました。ご存知のとおり18歳人口の減少が進んでいるなかで、本学はここにいる卒業生のような優秀な学生が数多く入学しておりますが、卒業後の就職先である産業界の人材要求が学部・大学院へシフトしつつある状況です。

そこで、これまで多くの卒業生の活躍に目を見張るものがありますが、社会情勢の変化により、建学の精神「人物を畑に還す」と教育研究の理念「実学主義」を核とする短大精神、役割を学部教育の中に移行させることとしました。

私も最後の学長として感慨深いものがありますが、短期大学部の最後の卒業生として、これからも「短大精神」を実社会で活かし活躍することを祈念いたします。先ほど話しましたとおり、「短大精神」は今後4年生大学に引継がれ、教員も学部に配属されますので、母校東京農業大学短期大学部は永遠になくなることはありません。

また応用生物科学部食品安全健康学科も記念すべき、第一期生が卒業いたします。食の安全と健康を教育研究する日本で唯一の学科を卒業するという自負を持ち、これからの活躍を期待しております。

さて、皆さんは今、それぞれの思い出を走馬灯のように巡らせていることでしょう。大学院生、学部生、短大生で入学年度は異なりますが、学部生が入学した4年前の式辞で皆さんに期待したことを思い出してみました。

3つのことを中心に話しました。一つ目は、皆さんは「未来の扉」の前に立ちました。大学という教育研究の場で教職員とコミュニケーションを図り、本学の教育研究の理念である「実学主義」を実践してほしい。そして、その「実学主義」を深く心の中に刻みこみ、それぞれの「未来の扉」を開けてほしいと話しをしました。

本学は研究室での活動を教育研究の主体としています。そのなかで、「実学主義」を実践し、それぞれの集大成として卒業論文、修士論文、博士論文を完成させました。

皆さんに「未来の扉」を開く力が備わっています。我々教職員も社会で活躍する力を授けたという自負があります。思い切り、その力で扉を開けて下さい。未来の光がまぶしいくらいに輝いています。そこを躊躇せず突き進んで下さい。

2つ目に話したことは、これから学ぶにあたり、アルベルト・アインシュタインの言葉「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかったことに気づく、気づけば気づくほどまた学びたくなる」を贈りました。今、思い起して、皆さんはどうでしたでしょうか。

私は大学時代に、言葉のとおり、探求心を持って、楽しく学んでほしいと皆さんに願いました。実はこの言葉はそれで終わるものではありません。

本学の創設者榎本武揚公は、「学びて後 足らざるを知る」の書を残してします。学ぶことによって初めて自分の学力や知識の不十分さがわかってくる、学びに終わりは無く、人生全てが学びの場であると解釈されます。

皆さんには、アインシュタインの言葉と共に「学びて後 足らざるを知る」との言葉を心に刻み、これからの人生を歩んで欲しいと願います。

3つ目は、「他者への理解と思いやり」を持って接することにより、真の人間関係を築いて下さいとお願いしました。

入学式の時、隣の人と握手をしてもらいました。覚えていますでしょうか。現代の学生はコミュニケーションが苦手だと言われていますので、握手をしてきっかけができればとの思いでした。その入学式から今日まで、真の人間関係を築けましたでしょうか。人数が多ければ良いと言うわけではありません。一人でもまったく構わないことです。

「真の人間関係」と言うと、その言葉どおりに捉えると難しく考えてしまうかもしれません。

しかし皆さんは、決して一人ではありません。ご家族の皆さんはもちろんのことですが、課外活動などで、楽しかったこと、嬉しかったこと、悩んだことなどを共にわかちあった農友会や同好会、収穫祭の成功に努力した仲間、海外交流の友人たちがいます。お世話になった先生や職員の方、また社会で活躍をしている卒業生も含めた東京農大ファミリーが、皆さんを応援してくれます。

東京農大生は不思議なもので、自らが積極的に係わらなくても知らず知らずに、東京農大の輪のなかに入っています。決して一人ではない。東京農大の輪を頼りにして下さい。

本日卒業される皆さんは、ここでしか学べない価値ある教育を「実学主義」で学び、ここだからできた「実績」を自身のものとしました。東京農大ブランドを背に「自信と誇り」をもって卒業し、実社会において「東京農業大学」を世に知らしめて下さい。

最後に、くれぐれも健康に留意し、自らに与えられた時代的要請を十分に踏まえて、ご活躍下さい。困ったことがあれば、是非研究室の教員や先輩を頼って下さい。皆さんの母校東京農業大学は、いつも皆さんを応援しています。

重ねて、今日の日をお祝いし、告辞といたします。


平成30年3月20日

          東京農業大学・東京農業大学短期大学部学長
農学博士 髙野 克己

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