東京農業大学

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進化する東京農大

平成27年度 卒業式告辞

本日、学位記を授与された皆さん、ご卒業まことにおめでとうございます。

また本日まで卒業生を支え、励まして来られたご父母、ご家族の皆様に対しましても心よりお祝い申し上げます。

本日は、皆さんの晴れの姿を祝うため、かつて本学を30年間にわたって経営された公益社団法人大日本農会から染会長、本学卒業生16万人余名を代表して校友会三好会長、本学に対し多大なるご支援をいただいている大場教育後援会会長、そして本学からは、理事長をはじめとする常務理事、理事、監事など多数の方に、ご登壇いただいております。
関係の皆さまにも改めて御礼申し上げます。

さて、本日学位記をお渡しした皆さんは、入学当初、期待に胸をふくらまして、それぞれの夢の実現に向かうため、この創立125周年を迎えた伝統ある東京農大の門をくぐりました。多くの皆さんが、明日から社会人としての生活を始めますが、就職したことイコール、夢の実現ではありません。これからが夢の実現の第一歩を歩み始めることになります。東京農大の卒業生には、これからも「実学主義」で未来を切り拓いてほしいと願っています。
皆さんには、入学当初から本学の教育研究の理念は、「実学主義」であると何度かお話しをして来ました。
初代学長の横井時敬先生は「稲のことは稲にきけ、農業のことは農民にきけ」と唱え、農村に入り、農家の方と共に現場で考え、実証研究に取り組むことを「実学主義」と称し提唱してきました。つまり、机上の理論ではなく、その物、現場で自らの五感を駆使して、課題を発見し、その課題がなぜ起きているのかを自ら考え、科学的に実証するということです。その時も先入観に捉われたり、観念論に陥ったりせず、あるがままを学び、知識として、技術として、自らに蓄え、それぞれの夢の実現に向けて努力することをあきらめないでほしい。

ウオルト・ディズニーは、夢をかなえる秘訣は4つの「C」に集約されるとし、それは「好奇心(Curiosity)」「自信(Confidenece)」「勇気(Courage)」「継続(Constancy)」であると述べています。卒業してからも、常にこの4つの「C」を忘れずに精進してください。

広義の農学領域にある東京農大には、好奇心をくすぐる素材、生命、環境、健康、エネルギー、地域創成など本学の学びのキーワドとするものがそちらこちらにあり、そのなかで、深く専門知識を教室で学び、その理解のもと、実験実習フィールドで技術を自らのものとし、勇気をもって新境地を開くよう研究室でより高度に学問を発展させ、個々の自信として来ました。
課外活動においては、農友会、同好会の活動、収穫祭への参加などに一生懸命に取り組み、友人らと、ともに楽しみ、喜び、悩み、苦しさをわかちあいながら努力してきました。
これからもこれらを継続することにより、社会で活躍し続けてください。そしてこのことが夢をかなえるべく実現に、一歩、二歩と近づいていきます。

現代は高度に複雑化された社会となっています。このような社会を生きる東京農大生の使命は、人類の幸せのため、倫理観をもって、地球に貢献することです。本学の学びと研究の原点は「農」にあります。自然界に目を向ければ、そこには人知を超えた摂理があり、多くの生命の犠牲のうえに成り立っている。人間の命もその一環です。
ひとり一人が本学でしか培うことのできない「農の心」をはぐくみ立派に成長しました。
この農の心をもって、エシカルな社会の構築に貢献してほしい。エシカルとは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞であります。例えば、エシカルファッションといえば、素材はオーガニックコットンやリサイクルコットン、素材購入は発展途上国から、商品には化学染料ではなく天然染料を、流通はフェアトレードで行うことを言います。このようなことが、当たり前に行われる社会になってほしい。実学主義を大いに実践して自ら考え行動する東京農大生に、地球の未来を託します。よろしくお願いします。

卒業にあたり、米国の著述家 デール・カーネギーの言葉を贈ります。「深い思いやりから出る感謝の言葉をふりまきながら日々を過ごす。これが友をつくり、人を動かす極意である」

皆さんは、学生生活を通して学内はもとより、または日本のみならず世界各地に出向いて、人との出会いにより、そこに「感謝」の言葉があってこそ、多くの「友」を得ることができました。人生にして最大の財産を得たことになります。人は決して一人では生きていけません。この「友」と言う財産を大切に、また最大限活用してください。農大ネットワークは世界の人と人をつなぎます。
そして一番感謝をしなければならないのは、「家族」です。本日来られていないご家族方は多いかと思いますが、私が代表して「ありがとうございました」と言いますので、皆さんも心の中でよいですので、「ありがとう」と言ってください。「お父さん、お母さん、ご家族の皆さま、本当にありがとうございました!」

本日卒業生の皆さんは、輝かしい未来への扉を自らの力で開けました。春からの社会のなかで立ち止まることもままならず日々を過ごすことになりますが、決しておごることや過信することなく、常に自ら学ぶことを継続することが大切です。人生において立ち止まる不安は大きいけれど、学びの中からわが道を活かす道を探り、その先の夢に突き進んでほしい。
本学でしか学べない価値ある教育を「実学主義」で学び、卒業いたします。これから実社会において「東京農大の卒業生」という「自信と誇り」をもって活躍してほしい。ここ世田谷キャンパス育ちのみなさんは、まさに東京農大ブランドです。東京農大ブランドを世に知らしめてください。
また、皆さんの社会での活躍の姿を後輩や教職員たちに見せに母校に帰って来てください。東京農大教職員一同、楽しみに待っています。

最後に、くれぐれも健康には留意されますことを願い、重ねて、今日の日を心からお祝いし、告辞といたします。

2016年3月20日

東京農業大学 東京農業大学短期大学部学長
農学博士 高野 克己

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