東京農業大学

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進化する東京農大

平成28年度 卒業式告辞

本日、学位記を授与された皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

これまで物心の両面において、多大な支援を続けて来られたご父母、ご家族の皆様に対しましてもお祝い申し上げます。

本日は、皆さんの晴れの姿を祝うため、かつて本学を30年間にわたって経営された公益社団法人大日本農会から染会長、本年度の皆さまを加えた17万人の本学卒業生を代表して校友会三好会長、本学に対し多大なるご支援をいただいている青木教育後援会会長、そして本学からは、理事長をはじめとする常務理事、理事、監事など多数の方に、ご登壇いただいております。

関係の皆さまにも改めて御礼申し上げます。

さて、本日学位記をお渡しした皆さんは、入学当初、期待に胸をふくらまして、それぞれの夢の実現に向かうため、この伝統ある東京農大の門をくぐりました。多くの皆さんが、明日から社会人としての生活を始めますが、就職したことイコール、夢の到達点ではありません。これからが夢の実現の第一歩を歩み始めることになります。

初代学長の横井時敬先生の言葉に「稲のことは稲にきけ、農業のことは農民にきけ」とあります。実際に農村に入り、農家の方と共に現場で考え、実証研究に取り組むことが必要であるとして、これを本学の教育研究の理念「実学主義」と称して提唱してきました。つまり、机上の理論ではなく、その物、現場で自らの五感を駆使して、課題を発見し、その課題がなぜ起きているのかを自ら考え、科学的に実証するということです。

本日ここにいる卒業生の皆さんは「実学主義」のもと、机上の勉強だけではなく、研究室はもちろんのこと、実験室・実習室・演習室、またはフィールド等の現場に出向き、何度も試行錯誤を繰り返しながら、それぞれの課題解決の道を探りました。そしてその総括として博士論文・修士論文・卒業論文を完成させ、学位記を授与されました。

この実績は、東京農業大学に入学したからこそ生まれたもので、教育研究の理念「実学主義」と生命(いのち)を大切にする「農のこころ」を育むことによりできたことです。他の大学ではここまでのことはできなかったのではないかと思います。

しかし、卒業してからの人生が順風満帆に行くとは限りません。誰しも一度や二度の困難が立ちはだかることがあると思います。このような時、諦めてしまっては夢の実現は遠く離れていきます。

米国の実業家であり発明家のトーマス・エジソンは「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。」、また米国の思想家、ラルフ・ワルド・エマーソンは「そんな難しいことはできない」と言う前に、まずやってみることです。結論はそれからでも遅くありません。」と述べています。

学生時代に「実学主義」のもと、課題解決をした経験を思い出し、先入観に捉われたり、観念論に陥ったりせず、これからもまずは実際にやってみてください。皆さんに身に付いた東京農大精神により、必ず解決の活路を見出すことができます。

また皆さんは一人ではありません。課外活動などで、楽しかったこと、嬉しかったこと、苦しかったこと、悩んだことなどを共にわかちあった農友会や同好会、収穫祭の成功に努力した仲間、海外交流の友人たちがいます。お世話になった先生や職員の方、地域の方も含めた東京農大ファミリーが皆さんを応援してくれます。

東京農大ファミリーは皆さん自身が築いたものです。

人に頼ることは何も恥じることではありません。人に頼む方法を身につければ、人生を切り抜けられていくものです。

そのなかでも一番頼りしているのはご家族の方だと思います。本日来られていないご家族方は多いかと思いますが、これまでの感謝の気持ちを言葉で表してください。

東京農大の卒業生は、「農のこころ」を持つ優しい人であり、勤勉で真面目で人に好かれるというと言うのが社会の評価です。

イギリスの作家、ジョセフ・アディソンの言葉に「人に真に好かれるには、相手が誰であろうと、ともに大いに楽しんでいる様子を示すことだ」とあります。

これからの輝かしい未来が皆さんにはあります。東京農大で培った仲間を大切にし、社会での関係をうまく保ちながら、大いに楽しい人生を歩んでほしい。

春からの社会のなかで立ち止まることもままならず日々を過ごすことになりますが、決しておごることや過信することなく、常に自ら学ぶことを継続することが大切です。人生において立ち止まる不安は大きいけれど、学びの中からわが道を活かす道を探り、その先の夢に突き進んでください。

本日卒業される皆さんは、ここでしか学べない価値ある教育を「実学主義」で学び、東京農業大学だからできた実績をもって卒業いたします。これから実社会において「東京農大の卒業生」という「自信と誇り」をもって活躍してください。

ここ世田谷キャンパス育ちの皆さんは、まさに東京農大ブランドです。東京農大ブランドを世に知らしめてください。

また、社会での活躍の姿を後輩や教職員たちに見せに母校に帰って来てください。東京農大教職員一同、楽しみに待っています。

最後に、くれぐれも健康には留意されますことを願い、重ねて、今日の日を心からお祝いし、告辞といたします。

2017年3月20日

東京農業大学長
東京農業大学短期大学部学長
農学博士  高野 克己

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