分子機能解析学分野 生命高分子化学研究室
生体高分子の機能解析に基づく新しい生命高分子の開発・利用を目指す。とくに、再生可能資源であるバイオマスから医用材料や生分解性材料など高機能性材料を創製するため、植物・微生物合成プロセスと化学合成プロセスの両輪でアプローチする。また、環境微生物による高分子物質生産プロセスの解明・高度化や、各種の生物を用いた有用物質生産システムの構築を目指している。
KEYWORDS
バイオポリマー、グリーンケミストリー、生体適合性、生分解性、環境調和型材料
生命活動に寄与する、生き物と環境にやさしいバイオポリマー
私たちヒトを含む生物をかたちづくるタンパク質や、遺伝情報の担い手であるDNAなどの核酸、植物繊維であるセルロースや栄養分であるデンプンなどの多糖類、これらはすべて化学的には高分子と呼ばれるタイプの物質です。また動植物だけでなく微生物、さらには厳密には生物ではないウイルスも様々な高分子からできています。すなわち高分子が私たちの体内や身の回りでどのようにはたらくかを知ることは、生物が生きる仕組みを理解するうえで極めて重要です。また日常生活でも、衣食住のいずれの要素(例えば衣類を作るための繊維、食物そのものや食品の包装、住宅の内装や建材など)にも高分子からなる素材が使われています。さらに農業の現場でも、ビニールハウスやマルチフィルム、漁網といった広い意味での農業資材にはプラスチックという形で大量の高分子が利用されています。
このように高分子は私たちの生存や生活に欠かせないものですが、一方で近年問題となっている海洋プラスチック汚染のように、従来型の高分子材料が引き起こす問題に対して解決策を見出していく必要があります。また昨今の新型コロナウイルス対策や再生医療など最新の医療においても、不織布マスクなど衛生材料の製造や生体吸収性医用材料による疾患治療といった場面で高分子が果たす役割が大変大きくなっています。より大きな観点では、資源循環型社会構築の一環として、微生物や動植物の生育・増殖するはたらきや、それらが生み出す物質を活用したバイオプロセスによる高分子の生産システムの開発や、環境中で微生物のはたらきにより分解・資化される生分解性高分子の普及拡大が不可欠です。
当研究室ではこうした社会的課題を背景に、高分子の自然環境における循環システム構築を目指し、新しい高分子材料の生産および分解方法を研究しています。高分子(バイオポリマー)の役割を理解し、さらに制御・応用して実社会に還元するという観点から、次のようなテーマで研究を行っています。
石井 教授:新規バイオポリマーの合成・加工による各種機能性材料への応用展開
金井 准教授:植物および微生物における代謝制御の理解と有用物質生産への応用
所属教員
お知らせ
2024. 4. 1 金井雅武 准教授が着任しました。
M2生7名、M1生4名、B4生25名による新年度の研究室活動をスタートしました。
2023. 4. 1 石井大輔准教授が教授に昇任しました。
M2生3名、M1生7名、B4生25名による新年度の研究室活動をスタートしました。
2023. 3. 31 正木春彦客員教授および廣江綾香助教がご退職されました。これまでの研究室における学生指導および授業運営に深く感謝申し上げます。
2023. 3. 20 学部4年生および修士2年生への学位記授与式が行われ、学部生25名、修士2年生5名が卒業および修了しました。研究室での経験を活かして、これからもそれぞれの進路で頑張っていってください。
2023. 3. 12 M2生の修士論文の大学への提出が完了しました。修論執筆大変お疲れさまでした。
2023. 2. 15-16 分子生命化学専攻の修士論文発表会で、5名のM2生が発表を行いました。
2023. 2. 7-8 研究室4年生の卒業論文発表・大学院生の中間発表(M2生は修論発表会の予行演習)を行いました。
2022. 4. 15 2022年度の研究室初顔合わせ(ガイダンス)を行いました。4年生の皆さんは、これから頑張ってください。
2022. 3. 31 当研究室で博士研究員としてお勤めいただきました後藤早希さん、実験補佐員としてお勤めいただきました山田麻里子さんが、ご退職されました。これまでの研究室への貢献に感謝申し上げます。
研究室へのアクセス
ご訪問の際は、下記連絡先にご一報頂けますと幸いです。
【連絡先】
石井 大輔 教授 e-mail: di206176@nodai.ac.jp tel: 03-5477-2573
※上記アドレスの@(全角)は、半角に直してご入力下さい。
【住 所】
〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1 農大サイエンスポートN203
東京農業大学 生命科学部 分子生命化学科 生命高分子化学研究室