業界の女性職員を牽引する若き土木施工管理技士
岡本 明子さん
地域環境科学部 生産環境工学科 平成22年3月卒業 / 日本道路(株)生産技術本部 工事部(技術職)勤務
最新技術を用いた施工現場を管理
1929(昭和4)年に創業した日本道路(株)は、道路建設や舗装工事、一般土木・建築をはじめ、スポーツ施設工事などを通じて社会貢献をめざす会社です。
入社6年目の私は現在、東京の本社工事部に所属し、道路建設や土木工事で用いる「情報化施工」という最新技術を駆使した施工現場の管理を担当しています。情報化施工とは、設計データを入力した施工機械に、測量データを無線送信しながら、すべて自動制御で作業をおこなう工法です。
本社デスクで設計データを作成し、現場のみなさんに機械制御の操作方法をレクチャーしています。現場を管理するには資格が必要なため、1級土木施工管理技士の国家資格を取得した後、工事部に配属されました。工事部では過去、宮崎県で東九州道の新設、石川県で能越自動車道の工事のほか、相模原市の青山学院大でグラウンドの全面改修工事などを担当。ふだんの勤務はデスクワークと現場がほぼ半々といったところです。
女性が気持ちよく働ける環境整備を
入社1年目から東名高速道路の足柄SA改修工事の現場を経験し、2年目から東京支店で都内の電線共同溝工事に関わりました。3年目には本社技術営業部で工事入札のための企画書作成を担当。企画立案のために工事予定地の測量にも出かけました。全国各地の現場で勤務しましたが、専門用語が多いこの仕事にあって、工具の呼び名が地域によって全く異なることに戸惑ったことも。でもモノ作りの完成の瞬間に立ち会える現場が私は大好きです。
会社が加盟する道路建設業協会に昨年、女性委員会が発足しました。男女共同参画の趣旨に従い女性が働きやすい職場環境を考えるこの委員会で、私は初代委員長になりました。今後ますます多くの女性がこの業界で活躍できるよう、他社の委員たちと改善策を提案していきたいと思います。
私の学生時代
在学中は建設システム工学(現・社会基盤工学)研究室に所属し、「道路振動を利用した発電システム」の研究に取り組みました。3年次以降は研究室にいる時間がほとんどでしたが、研究以外にも掃除当番、お茶出し、電話対応など、社会人として基本的なことが在学中から身につく環境でした。研究活動は学生が自主的に取り組み、ほぼ自由にやらせてもらえました。
私は東京農大第三高校附属中学校のキャンパス内にビオトープをつくる作業に参加し、どのようにできあがっていくのか、間近でモノづくりを体験することができました。モノをつくる現在の仕事では工期など約束事を守ることが何より大切ですが、自主性が尊重された研究室時代にその姿勢が培われたのだと感謝しています。