動物分野 動物発生工学研究室
哺乳動物の発生過程を個体・細胞・分子レベルの視点から総合的に理解する。特に、生殖系列細胞の分化・形成過程および機能獲得機構に焦点をあて研究を進めるとともに、生殖細胞操作に関する関連技術を開発し、新たな個体生産システムを追究する。
KEYWORDS
全能性、幹細胞、生殖細胞、エピゲノム、リプログラミング
生殖細胞の機能と発生のメカニズムを探る
動物は発生過程で生殖細胞という特殊な細胞を分化させ、受精を介して遺伝形質を次世代に受け渡す。この個体発生過程は、綿密に仕組まれた生命現象で魅力に満ちあふれており、我々の好奇心をかき立てる。当研究室では、生殖系列細胞の機能および発生・分化過程のメカニズムを細胞工学的および遺伝子工学的な研究手法を駆使して追究するとともに、幹細胞、生殖細胞、胚ならびに個体の機能を人為的に改変して利用し、農学領域、医学領域ならびに基礎生物学の進歩に貢献することをめざしている。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・マウス胚の蛍光免疫染色における賦活剤Histo VT oneを用いた抗原賦活化の必要性
・体細胞クローンマウス胚とドナー細胞におけるDNA メチル化状態の解析
・in situ hybridization法による胎盤形成後における遺伝子発現解析
・受精卵および雄核発生胚由来TS細胞から生じる栄養膜巨細胞におけるタンパク質発現解析
・Dnmt3a2コンディショナルトランスジェニックマウス卵母細胞におけるDnmt3a2の発現解析
・XX型雌マウスとXY型雌マウス卵母細胞における網羅的遺伝子発現解析
・加齢に伴うマウス卵母細胞の成熟能および発生能の解析
FREE TALK
研究室旅行について
昨年12月に、つくばへ行ってきました。50人近い研究室生が集まり、夜は宴会の盛り上がりとともにたくさんの語り場が出来ました。先生方のお話を聞けるチャンスでもあります!!大洗水族館、ビール工場、霊長類医科学研究センターを見学し、1泊2日の研究室旅行は新しい発見が盛りだくさんでした。
(3年生 岸♀)
卒業研究の感想
体細胞クローン動物は、遺伝的に同一な個体を作出できる技術として、家畜の改良などへの応用が期待されています。しかしその作出効率は非常に低く、到底実用化できる状態ではありません。この低い作出効率の原因を分子生物学的に探るのが私たちの研究テーマです。
卒業論文研究では、今までの高校や大学の実験実習と違い、1つの結果を得るために複数の実験を組み合わせて自分なりに試行錯誤し、実験条件などを設定するというところが一番大変でしたが、最終的に結果を出したときには大きな充実感が得られました。このような大きな研究テーマの一部を担当出来たことは非常に良い経験だったと思います。
(4年生 TS)