東京農業大学

メニュー

動物の特性と生命現象の探求

国立科学博物館 田島先生の特別講義を実施しました

2022年7月25日

 2022年6月28日にフレッシュマンセミナーという授業において、国立科学博物館の田島木綿子先生をお招きし、学科の特別講義を開催いたしました。

 今回の特別講義では「海に棲む哺乳類ー哺乳類として、脊椎動物として彼らを捉えるということは?ー」というタイトルで講演をいただきました。動物科学科では海洋動物に触れることや学ぶ機会が少ないため、今回の特別講義はとても貴重な時間となったと思います。

 このような情勢の中の特別講義をお引き受けいただいた田島先生には大変感謝しています。本当にありがとうございました。

特別講演および講演後の様子

03_0726topics.jpg

04_0726topics.jpg

『学生の感想』

Aさん:
 特別講義を聴講し、改めて動物の面白さを感じました。哺乳類の特徴と聞いて思い浮かべることは、恒温動物であることや胎生であることくらいでした。しかし、首が長いキリンも、首が短いイルカも、我々ヒトも共通して頚椎を7個持つという哺乳類の特徴や、表情筋は表情を作ることが本来の機能ではないというお話は、どの年齢の人が聞いても動物について興味が湧くお話だと感じました。また海草は好きでも海藻は嫌いという海牛目の偏食家な一面を知りました。しかしこだわりが強い故に、光合成が必要な海草が生育する場所にしか生息できないという問題があります。現存しているジュゴン科1種、マナティー科3種を絶滅させないために、自分にできることは何かあるのか、考えたいです。さらにストランディングという言葉を初めて知りました。情報番組で海岸にクジラが座礁したというニュースは時々耳にしますが、それはストランディングというもので、そこに駆けつけストランディングの原因を明らかにしようと、尽力していらっしゃる田島先生をはじめとする方々の存在も初めて知りました。絶滅危惧種の情報収集や、普段見ることのできない新生児固体の実際の体色など、ストランディングしてしまった個体を次の世代以降まで伝わる標本にしたり、データに残す取り組みをしていることに大変興味が湧きました。私も意欲的に専門分野を学び、ストランディングの原因解明に少しでも携わってみたいです。

Bさん:
 鯨などの海棲哺乳類について、哺乳類の特徴などから丁寧に教えていただいたため、とても理解がしやすく興味深い講義でした。身近な哺乳類の情報でも知らないことも多く、分類学や解剖学で学んだ内容とも絡んでいたので、勉強にもなりました。ストランディングについてはほとんど把握していなかったので、日本でも年間に300件も発生してしまっているという事実に驚きました。また、その原因の一つに人間が捨てたゴミが含まれ、更に海に直接捨てるのではなく、川から流れ着くゴミが7割をも占めていると知って、如何に我々人類の環境への配慮が足りていないか改めて知ることが出来ました。しかし、田島さんのように、死んでしまった生物を無駄にしない取り組みをしている方がいると知って、素敵だなと思いました。今回の講義で環境問題に向き合う姿勢が変わったように感じたので、これらのような環境で起きている問題を多くの人々に広めていく事が大切だと実感しました。

Cさん:
 「哺乳類とは?」と聞かれてなんと答えれば、正直分かりませんでした。哺乳、肺呼吸、頸椎の個数、上腕骨尺骨橈骨指骨、胎生、恒温動物、感覚毛、3つの耳鼻骨が、哺乳類の特徴ということを知ることができてとても勉強になりました。また、年間300頭ほどの鯨のストランディングが見つかることを知ったと同時に、その中でも多くが海洋ゴミを死因としていることを知り、とても酷い状況にあると思いました。鯨は生態系のトップに位置し、自身がどれだけ摂食すると生態系が崩れてしまうかを知っているけれど、人は認識していない。このことを聞いてSDGsもありますが、それ以上にしっかりと自覚を持ってゴミ問題などに対して行動しなければならないなと思い知らされました。貴重なお話ありがとうございました。

ページの先頭へ

受験生の方