バイオセラピー学科
厚木キャンパス
動物や植物の存在は、私たちの生存の基盤であるだけでなく、生活に潤いや、やすらぎを与えています。環境・医療・福祉などの場においても動植物の恩恵を受ける機会が増えています。このような人と生き物のかかわりを多面的に研究し、より良い共生社会と、生き物の新たな活用方法の構築をめざしています。
学科基本情報
※2018年度より募集停止
社会における新しい農学の役割
従来、農学分野における動植物の存在は、作物や家畜など、食料としての役割が多くを占めてきました。一方、私たちの生活において、動植物は伴侶動物や園芸植物といった生活に潤いをもたらす存在でもあります。バイオセラピー学科は「生き物、環境、人」をキーワードに、自然環境レベルにおける野生動植物との共存、ペットや植物による生活の質の向上、動物や植物による介在療法など、動植物を心の糧として活用する形を追究します。
動植物との共生を3つの領域から学ぶ
この学科の学びは、大きく3つの領域からなっています。一つ目は、日常における人と動植物との関係を追求するもの。二つ目は、自然環境における動植物の保全と利活用をめざすもの。そして三つ目は、生き物を介在させた療法を発展させるものです。生き物が人にもたらす恩恵への科学的アプローチを基盤に、人の心理、福祉や環境問題解決に取り組むバイオセラピー学科は、社会における農学の新しい役割を担う学科です。
1、2年次では、バイオセラピーの考え方および基礎知識を習得し、また討論の機会を多く設け、対話の手法を身につけます。3年次からは研究室に所属し、人と動植物との関係性に関する、より専門的な知識と技術を学びます。4年次では、各自の卒業研究課題に取り組み、科学的手法を用いて社会の諸問題に取り組む能力を身につけます。
植物介在療法特別カリキュラム
高齢者や障がい者のほか、療法的支援を必要とする人々を対象とした生き物の療法的活用が注目されています。本カリキュラムは、学内教育および学外実習で構成しています。日本園芸療法学会と連携し、学会認定資格(認定登録園芸療法士、専門認定登録園芸療法士)が取得できる教育体制を整備しています。環境療法や、芸術/作業療法などの成果と課題を踏まえたうえで、「生き物」を療法に活用するために必要な専門知識と技術を習得します。
教員・研究室紹介
植物共生分野
動物共生分野
生物介在療法分野
PICK UP
2年次
必修
分野別基礎実験・実習
バイオセラピー学の各分野は動植物との関わりについて様々な実験データを収集し、それをもとに人と生き物のより良い関係性を追求します。この科目ではその分野の特色が反映された実験・実習をおこないます。具体的には乗馬シミュレーターを用いて姿勢バランスの向上効果を検証する実験(上写真)や、植物のある光景による心理変化の検証、自然環境と人の関わりを知るためのフィールドワーク、身近に生息する生き物の多様性、犬のしつけなどが挙げられます。
生物学実験
農学は動植物が示す様々な生命現象に着目し、その特性を理解し応用に結びつけることで社会の発展に貢献しています。本実験では、動物、植物、微生物あらゆる生物の基礎的な知識と扱い方を学びます。形態から細胞内小器官まで詳細に観察することで生物に対する鋭い観察力を養い、またタンパク質酵素やDNAなどの生体分子を用いた実験では、生化学の理論を学ぶとともに実験による検証方法を実践します。
2年次
必修
有用植物資源学
有用植物の中でも、薬用植物に焦点をあてて学びます。漢方(中国医学)では主に植物を加工して利用します。一方、これらの利用は「自然」をキーワードとする中国医学の理論に沿っておこなわれます。インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)も同様です。最近、生薬の国産化の気運が高まってきています。薬用植物の栽培や利用にはこれらの伝統医学の理論を理解している必要があります。授業を通して薬用植物の栽培・利用に必要な知識を身につけます。
卒業後の進路
大学院との連携
バイオセラピー学専攻 博士前期・後期課程
バイオセラピー学専攻は、自然環境の保全と保護が人の生活と調和することをめざす「環境農学」と人の生活の質や心身の健康の向上と改善をめざす「福祉農学」を探求し、豊かな感性と問題解決能力を備え、高度な専門知識と技術を習得、研究し、自然科学と人文科学を融合させた新しい学際領域を普及発展させることのできる人材の養成を目的とします。