畜産学科
厚木キャンパス
畜産学は、幅広く動物の科学を追究することで、私たちの食の安心・安全を支えている学問です。より美味しく、より安全な食料生産のために、遺伝子などのミクロの視点から可能性を追究したり、畜産物の流通システムをはじめとするマクロの視点から、国際的な経済政策や環境問題まで考察の幅を広げていきます。
学科基本情報
動物を科学的に追究する畜産学
ウシやブタ、ニワトリなどの産業動物を生産・飼養して、食肉、ハム・ソーセージ、牛乳・チーズ、卵などの食料を作りだす産業が“畜産”です。これらの食料が安定的かつ安全に供給されるために、動物の生産という観点に立って、飼育や生殖のメカニズムから食品の加工、流通までについて科学的な探求をおこなうのが畜産学です。
畜産学科では、生殖・加工・流通など畜産業だけでなく、遺伝子機能を追究したバイオテクノロジーなど、動物生命科学全般まで幅広く動物について学びます。
動物・生物の基礎から専門領域まで
畜産学科の学びは、繁殖・育種・生理といった生物の生体に関することと、飼養や衛生といった飼育に関すること、そして食品加工や流通・経営などの内容で構成されています。まずは1年次に動物や生物の基礎知識を修得し、2年次には多くの実験・実習を通じて、畜産全般に関わる専門知識を身につけます。
3年次になると、7つの研究室から1つを選択して所属します。授業の1つである「畜産学実験実習・演習(二)」も各研究室のテーマに沿った7つの分野に分かれておこなうなど、専門領域をより深く掘り下げる学びとなり、4年次の卒業研究に向けた高度な知識と研究スキルを身につけます。
また、厚木キャンパス内に設置されている食品加工技術センターは、ハムやソーセージなどの肉製品や、チーズやバターといった乳製品の加工設備が整っています。実習や卒業研究に利用されており、安全・安心な食品づくりのプロフェッショナル育成をめざす畜産学科の重要拠点となっています。
多様な動物たちとの関わり
産業動物というとウシ、ブタ、ニワトリが代表的ですが、そのほかにもヤギ、メンヨウ、ウズラ、ウサギなど多くの動物を飼育しています。動物の管理は研究室ごとにおこなっていて、それぞれの研究テーマの対象となる動物を飼育しています。
研究はもちろんのこと、エサやりや家畜舎の掃除、健康状態の管理などの作業も研究室の学生にとっては毎日欠かせない大切な役目になります。こうした経験が、より実践的な研究成果につながっています。
教員・研究室紹介
卒業生の声
PICK UP
1年次
必修
畜産実習
静岡県・富士山西麓の富士農場で3泊4日の合宿をおこない、畜産に関する基礎的な管理知識と技術の習得をめざす夏期集中授業です。ウシ、ブタ、ニワトリなどの動物を対象に、エサやり、哺乳(授乳)などの世話から、乳しぼり、体重測定、曳き運動(散歩)、放牧のほか、エサの食べ具合の観察などの飼育実習をおこない、畜産現場の実践的管理技術を身につけます。
1年次
必修
生物学実験
3・4年次に本格的な実験や実習をおこなうための実験手順や技術の基礎力を1年次から養う科目です。授業ではテーマごとに動物を研究するうえで基本的な道具である顕微鏡の使い方を習得したり、解剖や観察をおこなって動物のからだの構造を理解します。また鶏卵の発生やウシ・ブタの生殖器の仕組みを学び、さらに動植物の細胞を顕微鏡を使って観察します。
2年次
必修
動物生殖学
動物生殖学は、動物の生殖のメカニズムを解明する基礎分野と、それを家畜に応用して繁殖効率を高める応用分野からなる学問です。授業では哺乳類をおもな対象に、種の保存、改良と増殖、生殖器の構造と機能、生殖器を維持支配するホルモン、性現象と繁殖行動、精子と卵子、雌雄両配偶子の融合から受精・着床・妊娠・分娩・泌乳までの家畜繁殖の基礎分野と技術を講義していきます。
卒業後の進路
大学院との連携
畜産学専攻 博士前期・後期課程
畜産学専攻は、環境保全を考慮した広範囲な畜産学について生態から分子までのさまざまなレベルで生命科学領域と生産科学領域からの教育および研究を実践し、畜産関連のあらゆる専門、学際分野で常に時代の要請に応え、活躍する高度な知識と技術を併せ持つ人材の養成を目的とします。