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持続可能な循環型社会の再構築を担う人材を育成

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東京農業大学戦略研究プロジェクト(全研究室)

2019年3月15日

「伝統的農地管理による生物多様性ならびに国土保全の評価と持続的地域防災マネジメントの構築」 熊本県阿蘇地域で実践した防災教育

 平成29年4月1日~平成30年3月31日まで,地域創成科学科の教員が中心となり,東京農業大学戦略研究プロジェクト 「伝統的農地管理による生物多様性ならびに国土保全の評価と持続的地域防災マネジメントの構築」に取り組みました。この研究プロジェクトは、伝統的農地管理における土地のポテンシャル特性と生物多様性の価値を明らかにした上で,自然災害の潜在的危険性のシミュレーションを行い,伝統的農地管理が持つ自然条件を活かした環境保全技術および特性を検証し,評価します。併せて,伝統的農地管理で蓄積された地域コミュニティ力やローカル知を交流・地域連携による新しい枠組みで持続的地域防災マネジメントとして構築することを目的としています。

 対象地域は2013年の豪雨や2016年の地震の被災地であり,二次草原が広がる熊本県阿蘇地域(写真1),2014年の神城断層地震による地すべり被災地であり,棚田が維持されている長野県小谷地域(写真2),2011年東日本大震災の被災地であり,江戸期以来の屋敷林・防潮林が今も残る岩手県・宮城県沿岸地域(写真3)の3か所です。

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写真1 熊本県阿蘇地域

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写真2 長野県小谷地域

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写真3 岩手県・宮城県沿岸地域

 今回は持続的地域防災マネジメントとして,熊本県阿蘇地域で実践した防災教育の取組を中心にご紹介します。阿蘇地域の小中学校で「伝統的農地管理」を教育素材に取り入れた防災教育プログラムを平成28年度,平成29年度,平成30年度の3年間継続して実施しました。3年間通じた防災教育プログラムの結果,草原を切り口に伝統的農地管理を学んだ小学生が,阿蘇の自然や文化,自然と共生してきた阿蘇の知恵や伝承に深い興味関心を示しました。さらに,伝統的農地管理等で培われる地域コミュニティを活かした地域防災への学習意欲が高まりました(写真4)。そこで,30年度の学習では,阿蘇の小学校6年生が,身近な先人(祖父母,父母,近所の地域の皆さん等)から自然と共生してきた阿蘇の知恵や伝承の聞き取り調査を行いました。雨,台風,雪,霜,噴火,火事,農業,地震に関する「60の知恵や伝承」が集まり,先人が阿蘇五岳や噴煙,空の雲の様子を見ながら,火山や雨・水の状況を読み解き暮らしていることがわかりました。さらに,熊本地震の経験を家族で話し合い災害の備えへとつなげていることがわかりました。

 本プロジェクトでは,この聞き取り調査の結果を「僕たち、私たちが調べた自然と共生する阿蘇の知恵ブック」として小学生と冊子にまとめ,阿蘇市内の関係機関に配布しました(写真5)。


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写真4 平成29年度のグループワークによる学習の様子

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写真5 「僕たち、私たちが調べた自然と共生する阿蘇の知恵ブック」

 また,30年度は熊本地震から2年が経過し,児童も防災への関心を高めていることから,防災行動計画を立案するワークショップを阿蘇市で実施しました。ワークショップでは,日常的な「生活の営み」の中で防災力を高める重要性(写真6)や阿蘇地域の土砂災害の特性(写真7)の講義・実験をしました。さらに,エコストーブを用いた非常食料理も実践しました(写真8)。最後に,標高地図や3D地形モデルを用い地形特性の理解と,ハザードマップからの防災行動計画を児童・中学生が自ら立案しました(写真9,10)。

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写真6 日常的な「生活の営み」の中で高める防災力

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写真7 土砂災害の解説

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写真8 エコストーブを使った非常食づくり

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写真9 地域の地形特性の解説

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写真10 3D地形モデルを用いた学習と防災行動計画を立案する様子

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