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持続可能な循環型社会の再構築を担う人材を育成

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地域環境工学研究室・保全生態学研究室

2017年8月3日

農業用水におけるオオカナダモ駆除と農業水利施設の保全活動

 地域創成において、「農業」は基軸ともなるべき重要な産業の1つです。地域を「人体」に例えれば、「農業」は命の源の「心臓」、それを維持するための「農業水利施設」は「血流・血管」とも換言できます。しかし、近年、農地の減少にともなって、農業用水の水量も減少傾向にあり、それに伴い、昭和期に造成された二面張のコンクリート水路などでは、水路側への土砂の引き込み現象などによって、隣接する舗装路面下に「空洞」が発生する可能性が高くなっています(写真-1、2)。また、同時に水路の躯体(鉄筋・コンクリート)自体の老朽化も進行していることも多く、全面的な改修工事も視野に入れながら、各地域の農業水利施設の安全性や機能性について多角的に検討して行く時代となりました。

写真-1

写真-2(マウスオーバーで画像が変わります)

 一方、その水路内部では、主に水況(水量)やヘドロ、土砂の堆積等による基盤材(床材)料の変化によって、外来種のオオカナダモ(Egeria densa)が大繁茂する結果となり、生育量が旺盛となる夏季を中心に水路内の流況に大きな変化をもたらすこと、他の水生植物を駆逐してしまうことなどから、特に問題視されています(写真-3)。

写真-3(マウスオーバーで画像が変わります)

 このように、「血流・血管」とも言える器官の内外に「重大な疾患を抱えている状況」といっても過言ではありません。そこで、地域環境工学研究室、保全生態学研究室では、このような複合的な問題に対応するため、それぞれが有する専門知識(土木・工学、生物・生態学、植栽学)を結集し、複合的な農業水利施設の問題に対応して行く予定です。

 既に、オオカナダモ駆除に関しては、2017年7月23日(日)に、行政による大規模なオオカナダモ駆除作業を実施し、それと連動する形で、両研究室によって、流速の変化やサンプル採取を行いました。さらに、現場近くにはコカナダモが繁茂している用水路も発見したため、こちらの駆除対応も必要となってきました(写真-4)。現在、流速の測定結果を解析し、採取したオオカナダモについては、その詳しい生理・生態について、大学内で実験中です。下動画は駆除作業と流速の測定時のものです。

写真-4

 また、農業用水に隣接する路面下の空洞調査については、スマホ連動の高性能小型サーモグラフィーによる撮影(写真-5)によって路面下の空洞位置の予測を立てた後、電磁波レーダー(GPR)による一次調査を行なっており、その結果を参考に、小型FWD(重錘落下式支持力測定装置)を用いた二次調査を行うという、三段構えの調査により、正確な路面下空洞の位置、水路への土砂の引き込み位置を突き止めていきます。下動画は、GPRによる一次調査の実施状況です。

写真-5

 これらの共同研究はまだ始まったばかり・・・農業・環境を保全するための重要な鍵を握る農業用水。「水」を巡る地域創成科学科の戦いはこれからも続いていきます。

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