景観建設・技術分野 庭園技法材料学研究室
思想・芸術・技術の総合体というべき日本庭園は、土・石・木といった自然材料の特性を発揮させる知恵と、地形・光・風・水・音を活かす技法から成立する。当研究室は、庭園の工法(庭園の創造、育成、維持、管理に関する技術)、材料(石材・木材・竹材・左官材料の種類、産地、特性、加工)、施設(庭園建築、石造物、垣根等)の研究を通じ、庭園の保存修復と技術の伝承とともに、先人の知恵と工夫の現代の造園空間への応用に挑戦する。さらにデジタル技術を駆使し、視覚と聴覚に関する環境情報から地形・光・風・水・音が人に与える影響を測定・評価し、刻々と変化する庭園景観の再現等、風景認識に関する学理的研究を推進する。学生が造園の技術家に必要な堅実な理論と時空間に対する確かな視野を備えるべく、庭園と材料産地のフィールドサーベイ、技術に関する実地研修、庭園の調査修復ワーキング、デジタル技術の研修等を展開する。
KEYWORDS
日本庭園、庭園のロストテクノロジー、造園石材と石の文化、保存修復、伝承造園技術、デジタル技術、知覚解析
技法と材料から庭園の本質に迫り、造園技術の伝承と発展を目指す
思想・芸術・技術の総合体ともいうべき日本庭園は、土・石・木といった自然材料の特性を発揮させる知恵と、地形・光・風・水・音を活かす技法から成り立ちます。私たちは、庭園の工法( 庭園の創造、育成、維持、管理に関する技術 )、材料( 石材・木材・竹材・左官材料等 )、施設( 庭園建築、石造物、垣根等 )の研究を通して、庭園の保存修復と技術の伝承とともに、先人の知恵を現代の造園空間へも応用することを射程しています。さらに視覚と聴覚に関する環境情報から地形・光・風・水・音が人に与える影響を測定・評価し、刻々と変化する庭園景観をデジタル技術で再現します。研究室活動では、造園の技術家に必要な堅実な理論と時空間に対する確かな視野を備えるべく、庭園と材料産地のフィールドサーベイ、庭園工法とデジタル技術に関する研修、庭園の調査修復ワーキング等を展開します。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・池泉の水位変動にともなう護岸の崩壊メカニズムの解明
・降雨に伴う軒内の洗堀メカニズムの解明
・江戸東京に造営された旧加賀藩前田家庭園の石材利用に関する研究
・池泉から見た江戸期の六義園史
・陸奥宗光別邸跡・旧古河別邸における庭園の水景施設の意匠・構造に関する研究
・チャートの石垣からみる犬山城の美観性の解析
・現代の美術館の材料と照明について
・都内の房州石建造物の劣化状況と保存
FREE TALK
大学とは
大学における研究室の存在は非常に大きい。勉学に勤しむことは大切だが、机にかじりつくばかりでは机上の空論になりかねない。本研発室は農大の掲げる「実学主義」を体現していると自負する程、幅広く常に新しい見方や考え方を養える。 「好きこそものの上手なれ」というように一人一人が好きなことを好きに伸ばして、仲間たちと切磋琢磨している。光陰矢の如し、4年間は一瞬。やりたいことを全力で。
ゼミ合宿
夏にゼミ合宿を開催し、今年は岩手県平泉にて毛越寺や無量光院、観自在王院といった庭を見に行きました。庭園、景観、文化という3つの研究テーマに分かれ、現地で学んだことを考察してパネルにまとめます。非常に意義深く、専門性の高い学びを得られたことは大変有意義な時間であり、また、夜は先生方と研究室生で宴会を行い夜を共に過ごしたことは思い出に深く刻まれています。パネルは収穫祭時に関覚できるので是非ご覧下さい。
室会
月2回研究室にて室会を開いています。先生方の定例報告や、技材研新聞という何のテーマでもいいがコンセプトの発表を学生がしたりと和気あいあいで盛り上ります。身近にあった出来事だったり、興味があることを共有するので新たな知識がついたり仲良くなるきっかけになるので2週に1回が待ち遠しいです。
夏の研究合宿
2023年は8月28日と29日に岩手県に行ってきました!一関本寺・骨寺村荘園の農村景観をレンタサイクルで巡り、厳美渓の雄大な渓谷・達谷窟の奇岩と寺院・平泉の庭園遺跡を見学し、豪華なもち膳とわんこそばを食べました。一ノ関・平泉一帯の地質地形、その地の気候風土から生まれた庭園文化ともち文化について、3班に分かれて調査を行い、パネルを作成しました。研究室の入口に常設展示していますので、ぜひ見に来てください。
おもひで
コロナ明けて、研究室のレイアウトをガラッと変えました。机を並び替え、窓際に3年生と4年生が作った三又と作品「石のステーキ」の展示スペース、華道部に所属している学生は毎週新しい生け花の作品の展示スペースを設けました。廊下側のガラスに、マーカーで都名所図会の庭園絵図を描いています。 卒業シーズンまで後少しですが、過ごしやすい環境を作って卒論を頑張ります!