環境計画・設計分野 ランドスケープデザイン・情報学研究室
私たちの研究室では、人口減少、都市の縮退、気候変動への適応といった課題に対してオープンスペース(屋外空間)を活かした「住みやすく、サステナブルな都市」の創成に貢献する研究を行っている。庭、空地、公園緑地、街路、農地など、小空間から数百haの都市まで幅広いスケールにおける調査・計画・設計理論と技術の探求、さらにはICTやGISによる分析・視覚化、空間の質を検証するシミュレーション解析などのデジタル技術を利活用する。それにより、社会課題解決に向け「デザイン的な思考や技術」と「工学的な空間情報技術」が融合する、ランドスケープデザインを探求する。学生はフィールドワーク、デザインコンペ、デジタル技術を活用した調査など実践的な取り組みを通じてランドスケープデザイン・情報学の基礎的な技術を取得し、自然・歴史・文化を活かした都市づくりに貢献することを目指す。
KEYWORDS
公園設計、緑のまちづくり、グリーンインフラ、都市計画、パークマネジメント、デザイン(設計)
サステナブルな都市をデザインする
私達の研究室では、人口減少、都市の縮退、気候変動への適応といった課題に対してオープンスペース( 屋外空間 )を活かした住みやすく、サステナブルな都市の創成に貢献する研究を行います。庭、空地、公園緑地、街路、農地など、小空間から数百 ha の都市まで幅広いスケールにおける調査・計画・設計理論と技術の探求、さらには ICT や GIS による分析・視覚化、空間の質を検証するシミュレーション解析などのデジタル技術を利活用します。それにより、社会課題解決に向け「 デザイン的な思考や技術 」と「 工学的な空間情報技術 」が融合するランドスケープデザインを探求します。学生はフィールドワーク、デザインコンペ、デジタル技術を活用した調査など実践的な取り組みを通じてランドスケープデザイン・情報学の基礎的な技術を修得し、自然・歴史・文化を活かした都市づくりへの貢献を目指します。
所属教員
学生の主な研究テーマ
○修士研究
・代々木公園におけるシーン景観に対する定量指標と主観評価の関連性に関する研究
・都市計画法第34条第11号の指定背景及び方針からみる適用状況 -茨城県を対象として-
・都市公園における単独利用者の利活用実態と滞在場所の選好傾向に関する研究
・東京下町地域を対象とした野良猫と共存するまちの空間特性に関する研究
・植物園の展示温室における空間構成と来園者の観覧行動の関係性に関する研究
・VRランドスケープ空間における視覚的再現度向上の手法に関する研究
○卒業研究・制作
設計・計画学
・国内ホッキョクグマ展示施設規模の適正化の可能性に関する研究
・造園的観点から設計するアクアリウムとその評価に関する研究
・温泉地における宿泊施設の立地特性の関する研究
・静岡市清水区における南海トラフ巨大地震を想定した災害危険度及び避難経路に関する研究を踏まえた減災デザイン(卒業制作)
・伊香保温泉街における景観特性に関する研究(卒業制作)
空間情報学
・TLS による点群データからの木漏れ日の把握
・UAVを用いた写真測量による草本植物検知に関する研究
・TLSにおける反射率を用いた樹木衰退度診断への応用
・UAV及び3D都市モデルを用いた環境情報の可視化について
・3次元データを活用した登山道に対する維持管理手法に関する研究
グリーンインフラ研究
・八王子市の緑地における生態系サービスの分析に基づく樹木循環型都市の提案(卒業制作)
・谷沢川・丸子川流域の被害額を基にしたグリーンインフラ導入による費用対効果について
・静岡県西部地域における田んぼダム実装可能性に関する研究
・葛西臨海公園における樹木下の風環境と温熱環境に関する基礎的研究
・新方川水域におけるグリーンインフラのデザイン(卒業制作)
マネジメント研究
・井の頭公園アートマーケッツにおけるアートキャストと観客による利用空間の分析
・国分寺市における市民主体のまちづくり組織構築プロセスに関する研究
・関東域の県営公園併設の茶室における茶室・茶庭と利用特性に関する研究
FREE TALK
私は東京農業大学に入学するまでランドスケープという言葉を知りませんでした。学科名である造園と聞くと日本庭園や造園家の職人などを思い浮かべていましたが、授業の中でランドスケープ分野には公園や緑地、住宅の庭、都市のオープンスペースなど人と自然が共生する環境すべてがフィールドであることを学び、私の将来の目標であった緑豊かなまちづくりに携わるという未来に少しずつ近づいている感覚がありました。授業の中で植栽の配置や舗装の種類を考えて製図を行ったり、学外のデザインコンペに積極的に参加して実際にランドスケープアーキテクトとして働いている方から指導していただいたり、自分から学んでいく姿勢のある人には自分のスキルアップにつながる機会がたくさんあります。また、デザ研は所属人数が他の研究室よりも多く、ランドスケープデザインに対して同じだけ情熱を持っている人も多いです。設計課題に取り組んでいる際には、みんなで演習室にこもり夜通し議論しながら図面と向き合い模型の制作に取り組んできました。同じ課題に一緒に向き合う時間が長いためぶつかることも多々ありながらも、どの研究室よりも時間を共に過ごし深い絆を築くことができます。毎週のゼミや授業課題、就活が重なった時期は精神面できついときもありましたが、先生や先輩、なにより友達の助言や励ましの声に支えられて乗り越えることができました。私はデザ研に所属しランドスケープを学ぶことを選択したおかげで、大学4年間がとても充実した時間となったと胸を張って断言できます。農大の造園で学んだことを誇りに、これからの新しい世界でも活躍できる人間になりたいと思います。
(令和5年度 卒業生 M)
私は大学受験を考える高校生の時に、建築分野や都市計画を学べる大学を調べ、受験の準備をしていました。私は東京農業大学の附属の高等学校に通っていた為、オープンキャンパスの案内にて、造園科学科とランドスケープデザインという分野に出会い、「人と自然が共生する快適な環境をデザイン」という言葉に興味を持ち、入学しました。
これを実現するためには、どのような学びがあるのだろうか、と思いながら造園の知識は全く無い状態から授業を受けてきました。「造園」→「人と自然が可共生する快適な環境をデザイン」には一見、結びつかないように思えますが、造園学の思考を学び、都市・街のあり方をデザインしていく事は非常に重要である事を身をもって学ぶことができました。また、その形を何度も検討し、自分の考えを伝える表現力や、仲間と意見を交わし、自分に無い考え方を貰った上でまた自分の意見を整理するなど、図面に向き合うだけの力ではなく、これから社会に出て活躍するための下準備が、ランドスケープデザイン・情報学研究室で学べると感じました。私は人と自然の共生について、さらに研究を続け、積極的に快適な環境をつくることに携わっていきたいと思っています。
(令和5年度 卒業生 W)
ランドスケープデザイン・情報学研究室と聞くと、公園や緑地、都市計画のデザインをする空間づくりに取り組む研究室であると思い浮かべると思います。その中で、私は情報学分野、いわゆる「測量」に重点を置いた研究を行っています。現在、ゼミの研究ではUAV(ドローン)による写真測量や地上レーザ測量の機器・技術を用い、造園空間の三次元化や景観分析など、様々な研究が行われています。
測量機器を用いて、広大な自然公園や緑地・庭園などの造園空間を3Dモデルとして構築することで、防災やモビリティや物流・人流の効率化、日照や風等の気象データを解析することでヒートアイランド対策に貢献できます。
また、計画、調査、分析を在学中に経験することで、本学で掲げている「実学主義」を体現することができます。トライ&エラーを基本とする研究環境なので、失敗を何度も繰り返しながら挑戦し続け、先生や仲間と意見を交わしあうことで、のびのびと研究しています。
他研究室の先生や企業など、多くの測量依頼が寄せられるため、校内から地方まで多くの場所で調査します。そのため、アクティブな人や向上心が強い人にぴったりの研究室なので、興味がある人はぜひランドスケープデザイン・情報学研究室までお越しください!!!
(令和5年度 卒業生 Y)