奥多摩演習林
演習林長 山﨑 晃司 教授
副演習林長 矢部 和弘 教授
森林の生産機能と環境的機能
日本は国土が狭く、その地形は急峻です。国土の大部分は山村地域とそれを取り巻く森林地帯となっており、平坦地に形成される都市や農業地帯は3割ほどにとどまります。森林は生物多様性の保全、木材などの資源供給をはじめ山崩れの防止、洪水の防止、水資源の確保などといった人間生活や産業活動に多くの恩恵を与える機能を有しています。
奥多摩演習林は、首都圏にもっとも近い山岳公園である秩父多摩甲斐国立公園内に位置しています。奥多摩町氷川から雲取山へ向かう主尾根の登山道沿いに面し、JR奥多摩駅から徒歩にて1.5時間ほどの距離にあります。面積は約120haであり、スギ、ヒノキ、カラマツなどの植林地と、ミズナラ、クリ、シラカバなどからなる天然性の森林で構成されています。施設として学生等の研究及び教育活動の際に拠点となる研修センターのほか、日本全国から集めた銘木を適材適所に利用して,日本古来の伝統的技法により建築された資料館が利用できます。
演習林では主に、森林のしくみや動植物との関係、森林の育成方法、森林の環境的機能の仕組み、林道の設計、林業機械などについて研究および教育活動を展開しています。本学学生の卒業研究や大学院における研究の受け入れのほか、これまで地方公共団体、他大学及び民間企業の研究利用等も受け入れています。また、演習林で伐採された木材は世田谷キャンパス・サイエンスポート大階段などの大学施設においても使用されています。(写真 奥多摩演習林研修センター)