森林資源保全学分野 造林学研究室
木材生産をはじめ、環境保全、生物多様性の保存、そして景観風致、保健休養まで、様々な機能を高度に発揮できる森林の育成、保育、管理技術についての調査研究を行っている。各地域の諸条件を活かし、健全で持続的に物質循環のできる森林造成についての実地的、実証的な研究に取り組んでいる。研究対象も、ミクロレベルの菌、バクテリアから、育苗、育林、放置林の再生などのマクロレベルに至るまで幅広く、多彩である。
KEYWORDS
人工林、天然林、間伐、樹木、育苗、微生物、森林土壌、樹木生理、保健休養、森林アメニティ
多様性を持ち、多機能を発揮する森づくり
当研究室の目的は、木材・林産物生産機能をはじめ、生物多様性、土壌、水源涵養、地域の環境保全などの各機能を高度に発揮する森林の育成、管理について調査・研究することである。国内外の森林をフィールドとし、樹木、動物、微生物(菌類)などの多様な種を調査対象とし、年輪解析や葉の養分、土壌分析、樹木生理、DNA解析などの室内実験もおこなう。具体的な研究テーマとしては、健全な森林の育成、管理、更新技術、混交林、複層林の育成、また放置された人工林や広葉樹二次林、里山の森林保育技術や、様々な育苗方法などがあげられる。
所属教員
学生の主な研究テーマ
造林学研究室の調査試験地は、奥多摩演習林をはじめ、富士試験林、小菅村試験区、青梅の森、各地の私有林など、各地にあります。
・群状間伐区における植栽広葉樹の成長特性
・野生動物の動態と種子散布
・挿し木困難樹種による挿し木苗育成の試行実験
・モウソウチク放置林の保育・整備手法
・外生菌根菌と樹木の成長の関係
・カラマツ人工林における土壌深度による外生菌根菌群集の変化
・施業別による林内空間の色彩の違い
・枝打ち・間伐による林床の地温と植生の変化
・広葉樹二次林における林床植生の樹種特性と空間分布
・ブナ科樹木の発芽条件
・広葉樹の葉形の変化とその環境要因
・スギ人工林におけるシダ類の分布特性
FREE TALK
研究室の感想
私たち造林学研究室での3年生・4年生それぞれの最大の行事は、収穫祭と卒業論文だと思います。
収穫祭は、3年生の春頃から、展示のテーマと内容を決め、研究室の3年生全員で力を合わせて展示物を作成して完成に近付けていきます。特に収穫祭までの最後の準備期間は、連日遅くまで作業が続いたり、学生同士で意見を交わしあったりと、同学年の仲間と仲良くなれる期間であるとも感じています。
4年生になると、1年間のほとんどが卒論の調査に費やされます。私は、奥多摩演習林で、人工林内の荒廃を防ぐための管理方法として、林地への広葉樹の導入を挙げ、その効果について調査してきました。この調査を進めていくためにも、研究室の皆の協力は必要不可欠なものです。先生方や先輩だけでなく、同学年の皆や後輩の手を借りて、そのおかげで調査・研究を進めていくことが出来ました。
造林学研究室では、研究室の全員と仲良くなれる機会がたくさんあります。入室の感想として、造林学研究室は本当に仲の良い研究室だなと思いました。研究室の皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。大学生活をこの研究室で過ごすことが出来て本当に満足しています!!
造林学研究室の長所は、3年生から4年生、大学院生も含めて雰囲気がとてもよいアットホームな研究室であることです。春の3年生歓迎会に始まり、年に2回の納会、収穫祭、卒業式などでの各懇親会、そして最大行事である収穫祭、造林学研究室を持つ関東の四大学交流会(筑波大学、東京農工大学、本学)などもあり、いつも大勢で楽しんでいます。
楽しむばかりでなく、卒業論文にもしっかり取り組みます。論文を書く上では、大学院生の先輩や先生方が指導・フォローをしてくれますが、内容や調査地も様々で、学外の方から指導を受けながら取り組んでいる人もいます。
私の場合、専門的な知識だけでなく、その他の多くのこともこの研究室を通じて学びました。自分次第で大学生活は充実したものにも、そうでないものにもなってしまいます。私の大学生活が大きく変わったのは、この造林学研究室に入ってからです。それまでは物足りなさばかりだったのに、今では大学に来るのが本当に楽しいです。やればやっただけの事が必ず自分に帰ってくる研究室、それがこの研究室です。
(2010年3月 卒業生 佐久間裕己)