森林総合科学科
世田谷キャンパス
古くから人間は森林と密接な関係を保ってきた一方で、近代以降には乱開発による森林破壊が社会問題にもなっています。森林が人類に与えてきた恵みの大きさは計り知れません。解決すべき地球規模の環境問題が残るいまこそ、人と森林が共生できる社会を早急に実現する必要があるのです。
学生による研究紹介動画
学科基本情報
国土の約7割を森林が占める日本は、世界でも有数の森林国です。森林は、木材を生産するという大きな役割のほかにも、木々の光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収したり、地表に降った雨水を地下水として蓄えるなど、地球環境を左右する大きな機能をもっています。こうした森林の役割や利用についてを、科学的に解き明かそうとするのが「森林総合科学」の目的です。
本学科では、「森林から学び、森林に学び、森林を学ぶ」をモットーに、1~3年次の夏休みには奥多摩演習林での集中実習を行い、森林そのものについての理解、すなわち森林の機能についての理解を深め、次いでその利用に関する理論や技術の理解と習得をとおして、森林と人間生活との関係についての価値観や考え方などを総合的かつ実践的に学んでいきます。
教員・研究室紹介
森林資源保全学分野
森林環境工学分野
森林資源利用学分野
森林社会科学分野
PICK UP
1・2年次
必修
演習林実習(一)・(二)
奥多摩演習林で実施する夏期集中実習です。森林を構成する植物の種類について知識を深めるため、まず植物分類の基礎を学習。次に植物の形態比較と検索方法を学ぶ分類実習をおこない、演習林の樹木類を材料に標本作成に取り組みます。さらに森林の植物群落の調査法や地質・地形・土壌など立地環境調査法についても実習(上写真)し、森林の構成・構造、立地環境への理解を深めます。
2年次
必修
野生生物管理学
近年、各地で野生生物と人間生活の間での軋轢発生が常態化しています。背景には中山間地域での土地利用の変化による野生生物生息環境の増加や、野生生物に対する人間側の圧力の低下などが考えられます。この科目では、哺乳類を中心にその現状を整理し、将来の野生生物管理と保護のあり方を議論していきます。また実際の保護管理のためのモニタリング手法も事例を挙げながら紹介します。
2年次
必修
森林アメニティ学
現代の社会生活で、日常的に心身にストレスを抱える人々が増え、森林がもたらすアメニティ(快適性)は、ますますその重要性を高めています。この科目では、日本や海外における福祉、医療、心理分野をはじめ、職場、限界集落等での森林アメニティ活用の事例を取り上げ、それらを検証するとともに、今後の地域社会における森林を活用した保健休養の可能性と、その技術、手法を学びます。
卒業後の進路
大学院との連携
林学専攻 博士前期・後期課程
林学専攻は、地域から地球的規模にいたる森林・林業・林産業・農山村に関する高度な知識と理解力や、森林の資源生産的機能と環境保全的機能に関する総合的で高度な研究能力と管理能力を持ち、森林の保全とその多面的機能の高度利用、生物多様性の保全、循環型社会の形成に貢献できる人材の養成を目的とします。