地域資源利用分野 農村環境工学研究室
環境科学的に農村の未来をきりひらく
これからの農村は食料生産だけにとどまらず、生態系サービスの提供やエネルギー供給の場であるとする視点から、環境科学的に農村のリノベーションについて研究をおこなっている。具体的には、生産性の高い農地基盤・生態系保全型の農地基盤の整備および高効率的な水利用などによる農業生産力の向上、農村の多面的機能の評価と良好な発揮、農村での廃棄物処理とバイオマス利用・農村でのエネルギー生産などによる都市と農村を巡る人・物・エネルギーの流れに関する研究に取り組み、地域の発展への貢献をめざしている。
紹介動画・ポスター
所属教員
学生の主な研究テーマ
・塩尻市における田畑輪換の検討
・武蔵野台地における地下水涵養と地下水変動
・長野県夜間瀬地区におけるブドウ園の灌漑と消費水量
・汚泥の有効利用による環境負荷の低減効果に関する研究
・群馬県の食品廃棄物リサイクルにおけるエネルギー収支と物質循環
・未利用木質バイオマスの有効利用に関する研究
・プラスチック製食品容器のライフサイクルに伴って生じる環境負荷に関する研究
FREE TALK
農地環境工学研究室の一番のイベントは収穫祭での展示です。この収穫祭の展示では普段の授業や研修先で学んだ事を3年生が中心となり発表をしています。また研修旅行では農業施設などの見学をしたり、学年ゼミや全体ゼミでは現在の環境問題や農業の在り方などについて集団討論や個人発表をしたり、休業期間を利用し先生方と共に各地へ土壌調査をしたりと、お互いの知識・表現力などの総合力を切磋琢磨しています。最後に農地環境工学研究室は普段から研究室の雰囲気はとても明るく、気軽に先生方や室員と会話や勉強ができる研究室です。
私達の研究室では研修旅行の内容を元に、3年生を中心として収穫祭の発表を行います。今回は7月頃に3年生と先生方で研修地を決定し、9月に研修地である長野県の安曇野市・松本市で、頭首工、農地や排水設備などの農地環境を整備する事業について、説明者として松本地方事務所農地整備課の方々と一緒に2日間かけて学びました。帰ってきた後は研修地で学んだ事をまとめて模型やスライドなどにしていきます。10月になると研究室の先生方や先輩方を相手に15分程度のプレゼン発表を3回ほど行い、質疑で指摘されたところを修正や省くなどの作業を行います。本番1週間前になると、パワーポイントでまとめたスライドを印刷しパネルにした後、展示物を運搬、展示室の飾り付けを本番ギリギリまで行います。本番の収穫祭期間中では、展示室に来ていただいた来場者に展示内容の説明を行い、また質疑があればそれに応答します。収穫祭の準備期間である9、10月中は、遅くまで研究室に残って収穫祭の準備・練習に力を注ぎます。収穫祭をやってみて、来場者の方たちに分かってもらえる文章作成・説明を行うことが、如何に難しいかを知りとても勉強になりました。
大学生活での4年間は何もしなければそのまま過ぎてしまいますが、自分から行動すればたくさんの経験をして、自分の視野を広げることに繋がると思います。自分自身1、2年生の頃はサークル活動に励んで充実した日々を過ごしていましたが、研究室活動はサークル活動とは別のまた違う経験をすることが出来ます。室員になってすぐの3年生の夏には、研修旅行で山梨県の農地整備事業について学び、秋には研究室の紹介を収穫祭で展示しました。また4年生の時には卒業論文、実験を行いました。研究室は人数も多すぎず研究室活動を通して仲良くなれるのでまるで中学や高校のクラスのようで楽しかったです。普段の授業だけでは同じ学科の人ともなかなか話しをする機会がないので、研究室の存在は新しい自分の居場所でした。研究室活動は楽しいだけではなく、大人の方と話しをしたり、手紙を書いたり、飲む機会があるので社会勉強にもなりました。
飲み会や旅行もたくさん行けますが、勉強や厳しい就職活動の時期に先生方からアドバイスを頂いたり励まし合える仲間がいたことが大きいと思います。
卒論の感想
卒業論文のタイトルは「ワサビ田の特性と水質について」です。何故、ワサビ田を調べようと思ったのか・・・まずは、きっかけをお話します。
主な理由として3点あります。
(1)現地調査&実験を伴った卒業論文にしたかった。
(2)その上で、オリジナルであること。
(3)私は登山が大好きで、山×農業=ワサビが思いついたこと。
よし、ワサビ田について調べよう!と思った矢先、困難に直面しました。調査協力をしてくださる農家さんがいないことです。一からスタートする卒業論文はとても大きな壁でした。なんとか農家さんを見つけましたが、静岡県伊豆市の山奥でとても不便な場所でした。しかし、その不便さ=ワサビ栽培ができる環境。その環境とはどう言ったものなのか、より興味が湧きました。
現地に行くと整備されたワサビ田で栽培していました。お話を伺うと、昔は水田だった所をワサビ田に転換したそうです。原因は、減反政策と収益性。月1回現地調査と研究室で土壌・水質の実験しワサビ栽培の環境を調べました。
長いようで短い1年間をワサビ田について勉強しましたが、もう少し調査・実験しておけばよかった・・・と思うのが心残りです。
(4年 鈴木隆雅)