幅広い選択肢の中から胚培養士の道へ。
牧野 いずみ さん
応用生物科学部 バイオサイエンス学科/動物分子生物学研究室(平成29年4月より 生命科学部 バイオサイエンス学科 動物分子生物学研究室へ名称変更)平成28年3月卒業/池袋えざきレディースクリニック勤務
幅広い選択肢のあるバイオサイエンス学科へ
現在、胚培養士として不妊治療のクリニックに勤めています。
高校生のころは、動物看護の仕事に就きたくて、他大学の動物系学科への進学も考えていました。しかし、進路について高校の先生に相談したところ、「将来の選択肢はできるだけ広げておいたほうがいい」というアドバイスを受け、東京農大のバイオサイエンス学科に入学しました。
生物系の学科でありながら医療分野の道が開けたのは、遺伝子を高度な領域まで学ぶことができる動物分子生物学研究室に所属していたからこそ。日本のトップレベルで脳や神経の研究をされている先生から指導を受け、医学部で扱うような脳神経科学の研究にも取り組むことができました。
生物系の学科でありながら、医学系のアプローチも
私の研究テーマは「体内時計をつかさどる遺伝子」でした。マウスから取り出した遺伝子のDNAの配列を組み換え、細胞に入れます。そして、どのような変化が起きたのかを解析するのですが、実際に目の前にあるのは一見、ただの透明な液体です。
インターンシップに参加し、胚培養士の道を決意
東京農大の就職活動専用サイト「キャリアナビ」でインターンシップを探して見つけたのが、いまの職場です。6日間、クリニックで研修し、これまで勉強してきた遺伝子の知識を役立てたいと思いました。同時に、責任の重さを実感。ひとつでも手順を間違えれば、受精させることはできません。インターンシップ後は、「失敗を許されない仕事に就くんだ」という意識をもち、いっそう気を引き締めて研究に取り組みました。
東京農大はいろいろなことにチャレンジできる大学で、さまざまな資格の取得も可能です。私は1年次に学芸員を履修し、「食と農」の博物館にある進化生物学研究所での実習に参加。動物を扱った実習をする機会を得ることができ、この経験が、将来の道を決める大事な要素のひとつとなりました。
興味のある分野はもちろんですが、例え、興味の薄い分野だと感じたとしても、挑戦してみると必ず収穫はあります。多くの可能性を試してみたからこそ、自分にとって本当に価値のある夢が見つかったのだと実感しています。