開発コンサルタント|小川奈穂子さん
開発コンサルタント
小川 奈穂子 さん
アイ・シー・ネット株式会社 ODA事業部 コンサルタント
自己紹介
大学在籍中は、あまり熱心な大学生ではなく、もっぱら農家に行って農作業をしていました。卒業後、自分が農家として自給自足生活をする中で、改めて大学のノートやテキストを見直して、大学で学んだことがストンと腹に落ちてきました。その後、西アフリカのニジェール共和国に青年海外協力隊野菜隊員として派遣され、農業セッションを農業省の普及員の方と開催したり、堆肥づくりや自然農薬づくりのポスターを作りました。
現在は、開発コンサルタント会社に所属し、主に国際協力機構(JICA)が発注するプロジェクトに農業や技術普及の専門家として従事しています。お仕事の場所はマダガスカル、マラウィ、エチオピアなどアフリカ諸国が多いですが、たまにアジアでお仕事することもあります。農業省などの相手国政府による、農業普及事業を支援したり、普及の枠組みをつくるようなことをしています。
農学分野を選択した時期・理由
中学生の時、将来なにをしたいのだろうと悩み、ぱっと目に飛び込んできたのが、砂漠化と飢餓に関する新聞記事でした。その時に、将来について悩めることができることの有難さを実感するとともに、アフリカ、特にサハラ砂漠の辺りで働きたいという想いが湧いてきました。働くためには手に職を持たねばと思い、食糧生産から農業と関心が深まり、農業を通した国際協力を学ぶことのできる、国際農業開発学科を選択しました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
開発コンサルタントとして国際協力プロジェクトに携わる中で、私が意識していることは、既にそこにある農業技術を人に伝える道をつくることです。そして、詰込み式の技術普及ではなく、「考える農家」を育てることを目指して、現地の人や他専門家と一緒に試行錯誤することです。自分一人で出来ることは小さいことですが、現地の人や他の専門家と知識・経験を合わせることによって、自分自身も成長させていただいていることを実感します。
仕事柄、色々な国の方とお仕事をする機会が多くありますが、国や宗教が変わっても考え方のパターンは変わらないというのが、最近の実感です。効果的な先駆的な農業技術であっても、情報の伝え方、受取り方で、その技術が実際に使ってもらえるかどうかが異なります。どのように農業技術を伝えると理解してもらえるのか、更に実践してもらうためにはどうしたら良いのか、何がネックで実践できないのかなど、問題の根本は実は同じで、その解決策も応用できると思います。
常に学び続けることを必要とされ、経験したことを活かすも殺すも自分次第。大変でもありますが、チャレンジもできる仕事です。