短期留学|ブラジル・アマゾニア農業大学
毛糠智子
国際農業開発学科4年
ブラジルでの出会い
ブラジル、アマゾンに行きたいと思った理由は「純粋に地球の反対側に行ってみたい!」というのが一番大きかったのかもしれません。
ブラジルでは、東京農業大学の協定校であるアマゾニア農業大学(UFRA)の農場があるカスタニャールに滞在しました。まずは、宿泊施設のスタッフとの出会いがありました。いつもご飯を作ってくれるお母さんのような人、いつでも笑っていてこっちまで笑顔になってしまうようなおじさん、何でもやってくれるかっこいいお兄さん…この人たちに一切英語は通じず、私もポルトガル語は話せないのではじめは意思疎通がとても大変でした。ちょっとしたお礼やお願いしたいこと、面白かったこと、楽しかったこと、ご飯がおいしかったなど伝わらないことが多くとてももどかしく感じました。それでも時間が経つにつれて簡単なポルトガル語が使えるようになったり、私たちも簡単な日本語を教えたりと少しずつ伝わるようになりました。どうでもいい日本語を教えて笑いあい、盛り上がっているときが一番通じていると感じたかもしれません。
UFRAの方々との出会いもたくさんありました。カスタニャール到着から私たちと一緒に生活をしたUFRAの先生。英語が話せるのでよくブラジル人との通訳をしてもらいました。夜は同じ部屋に泊まって趣味の話などもできました。夜中にエアコンが壊れ、部屋に大量の虫が湧いたことがあり、部屋中の荷物を外に出して殺虫剤をまき大騒ぎしたのも今ではいい思い出です。
ブラジル滞在中に、国際農業開発学科の卒業生を含む多くの日系人が住むトメアスにも行き、日系3世の方の農場にファームステイをしました。約1000ヘクタールという想像をはるかに超える土地を所有しておりピメンタ(胡椒)や多くの熱帯果樹、ゴム、木材用の樹木さらにはピラルク、タンバキなど魚の養殖や肉牛の放牧も行っている大農園です。車で半日ほどかけて農場を案内してもらいゴムの木や、アグロフォレストリー、試験的なピメンタの栽培についてなどとても勉強になりました。川に遊びに行ったり、ブラジルの家庭料理を食べたり、UFRAの農場での生活とはまた違ったブラジル生活を体験しました。
カスタニャール・トメアスでの2週間の滞在は非常に濃いもので最後のお別れはとても辛くいかに充実していたか実感しました。森林に入ったり、農場を見学したりすることで今まで写真や映像でしかみることのなかった植物や初めて知る植物を目にしたり、手にとったり、現地の農場の方に栽培についてのお話を直接聞いたりしたこと、最後のお別れの会にはとてもたくさんの人たちに来ていただいたことで感謝の気持ちとともに、ここでしか出会えない人、ものにたくさん出会えたことで地球の反対側に来ることができて良かったと実感しました。
ブラジル滞在中は、サンパウロにある農大会館で国際農業開発学科の卒業生の方々にもお会いすることができ、移民について、日系についてたくさんお話をしていただきました。ブラジルでの生活がうまくいかず、日本に戻ったひとがたくさんいること、戻ったきり連絡がとれない友人がいるということなど私たちが今回出会ったOBの方々はとても大変な努力をし、いま現地に残っているのだと改めて感じました。
それから3週間のブラジル滞在の最終日にブラジル生活40年のOBの方から頂いた言葉があります。
「現在に至るまで、人生に迷って、また迷って、何をしたらよいのかわからなくなって、でもいきてゆくしかない、と思いました。そしたらまた別の道が見えてきたというこの40年でした。今回の短期留学が、今後の人生設計に有意義なものになるため、いっそう自分のために、じぶんのためにです、勉強してください」
私自身これまで大学の選択から入学後もなかなかやりたいことが見つからず迷っていた時期があったためとても心に重く残りました。そして今、自分のためにもっと勉強をしたい!と強く感じています。
ブラジルでは、東京農業大学のネットワークの強さを感じ、私自身もたくさんのつながりを作って帰国できたことを誇りに感じます。