食品安全分野 応用微生物学研究室
微生物バイオテクノロジーで食品香粧と健康を育む
食中毒の9割以上は微生物汚染が原因である。食の安心・安全の確保のためには、微生物検出法や制御法、フードチェインの管理法を常に最適化して行くことが必要である。一方、微生物を学ぶと、美味しい食べ物や芳しい香りの創造に役立つ潜在能力の魅力も明らかになる。環境汚染物質や悪臭の分解除去にも微生物は働いている。このように、応用微生物学の守備範囲は広範囲にわたっており、当研究室では、微生物を応用した安全性の科学と、食の香りの未来を開拓し、また健康や環境の保持を確保するための微生物酵素化学、分子生物学研究を究め、それを実社会に還元していける人材を育成する。
応用微生物学研究室の研究テーマ
1
ストレスに負けない微生物の仕組みについて
ヨーグルトの乳酸菌が腸の中で生きるには胃酸や胆汁酸に負けない力が要ります。お酒をつくる酵母にはアルコールの中でも生き残る秘密があります。これらはどういう遺伝子の仕掛けによるのか?酵母パワーや健康を守るスーパー乳酸菌の秘密を解明し、地球に優しい先進バイオテクノロジーの創造を目指します。
2
ワインアロマと醸造用酵母の遺伝子発現制御について
ブドウ糖をアルコールに変えるのは酵母の働きです。ワインにはブドウにはなかった華やかな香りがあり、ワインアロマと言われて、ワインの風味を倍加します。そこで、良いワインアロマを作るのは、酵母のどんな遺伝子が働いているのかを、最新テクノロジーをつかって解析しています。北海道産の、安心で美味しいワインの香りを、遺伝子解析の力で更によいものにしようとしています。
3
健康と微生物について
ヒトの消化管には、ヒト体細胞数の10倍以上の細胞数の細菌が生息しています。その中にはビフィズス菌のような体に良い細菌もいれば、病気を引き起こす細菌もいます。体に有益なビフィズス菌や乳酸菌のようなプロバイオティクス、お腹の中で善玉菌を増やすプレバイオティクスについて研究することで、みんなが健康で楽しい生活を送れるようにしよう!私たちはこの考えをヒトだけでなく、動物にも適用することで、安定的な食糧生産のためにも活かしています。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・海洋乳酸菌の産生するフコイダン分解酵素の解析
・新規昆布フコイダン分解酵素の探索と解析
・ヒト腸内常在細菌のオリゴ糖代謝能に関する研究
・オリゴ糖代謝がヒト腸内ビフィズス菌のバクテリオシン生産性へ与える影響
・北海道産醸造用ブドウ品種由来のワインアロマの解析
・ワインアロマ生成のメカニズムに関する研究
・乳酸菌におけるサーチュインの発現とその影響に関する研究
・肉熟成に関与する微生物の同定及び性状解析
・抗ハチ腐蛆病病原菌活性を持つ乳酸菌及びビフィズス菌のスクリーニング
・ハチ由来乳酸菌及びビフィズス菌のハチプロバイオティクスとしての利用
FREE TALK
研究室での日々
私はもともと生物学が好きだったことと、幼いころから母親の影響で「科捜研の女」が好きで一番THE実験と感じた、という2点の理由から応用微生物学研究室を選びました。
研究室での日々は想像とは異なり、思うように実験が進まないこともありました。しかし、少しのひらめきと、たくさんの努力で結果を得られたときの達成感は言葉では言い表せません。特に私の実験はガンの予防につながる実験なので、より良い結果を得るために日々研究に励んでいます。
また、私たちの研究室では、実験テーマが違っていても研究室の仲間と意見交換・情報共有をすることで、助け合い過ごしているので、自分の実験ではなくとも結果が出たときには共に喜んでいます。そのため、実験の日々も苦ではありません。
休みの日にはみんなで羽をのばし、BBQをしたり、新年には餅つき大会を開いたり、研究室旅行があったりと、実験から離れていても仲がいいです。
さらに私たちの代で収穫祭(文化祭)に出展した模擬店は嬉しいことに優秀賞をいただきました。これは普段の仲の良さと支え合いによって得られたものだと思っています。売り上げを使ってみんなで後日ピザパーティをしたこともいい思い出です(^^*)
(天野 ゆうき)
他では味わえない!
微研では、その名の通り私たちにとってもなじみの深い微生物について研究をしています。微生物の″ちから″でおいしくなったお肉を焼いて食べてみたり、発酵されたワインの香りを嗅いでみたり!そんな食べたり嗅いだりだけではありません。乳酸菌の図鑑を作る研究や私たちの健康に関わる研究だってしています。研究室内では学生・教授に関係なく活発に質問し合い、教え合い、とても有意義な研究生活を過ごしています。
もちろん、研究室外でも微研は楽しく過ごしています!毎年、研究室対抗で行われるソフトボール大会では、必死に優勝を目指し、楽しく練習をすることも…。夏にはバーベキューや、一泊二日で研修旅行へでかけることもあります。当然、バーベキューの時には食中毒には気を付けていますよ!そんな大きな可能性を持つ小さな生き物たちを相手に日々努力しています!
(齋藤 誠太郎)
毎日和気あいあいと楽しく研究室活動
応用微生物学研究室はユニークな人が多いといわれている研究室なので、毎日が刺激的です!そんなメンバーで、毎日和気あいあいと楽しい研究室生活を送っています。
微研はイベントが多く、呑み会はもちろん夏にBBQをしたり、お正月には餅つきなどをして楽しんでいます。誕生日の人がいると、みんなでケーキを用意し、歌を歌いお祝いします!平日は毎日研究室で実験を行っているので、1.2年生で話したことのなかったメンバーとも、自然と仲良くなれます。また、研究室だけではなく普段も集まり、夏はわいわい遠くへドライブ!冬はコタツでお酒を片手にお鍋!!と日々充実しています!
研究室の談笑スペースには、みんなが持ち寄ったお菓子があり、お昼になるといつも人が沢山!話に華を咲かせています。勉強や実験の事だけではなく、普段の自分の考え方や趣味、恋の話、美味しいお菓子などあらゆることを話しています。他の人の話や意見を聞き、自分に取り入れることで互いを高め合える最高なメンバーです。私は、研究室に入って約2年たった今、改めて微研に入ってよかったなぁと実感しています!!
(山口 美咲)