就職の展望
食品産業などの企業の多くでは、リスクマネジメントとして自社食品の安 全・安心の管理をおこなう部門はもちろんのこと、食品の機能を生かした健 康増進のための商品開発(たとえばサプリメントや健康食品)の部門では、開発をおこなう人材をはじめ、消費者に対して自社製品の特性の科学的な説明責任を果たすことができる人材へのニーズが高まっています。また研究機関においても、食品衛生の視野からの研究をはじめ、近年は健康のための食品や、味覚や嗜好性に特化した食品の可能性を高める新機能についての研究が活発におこなわれており、食品の付加価値を追究するために、食品を総合的に理解し科学することができる若い研究者には高い期待が寄せられています。
一方、行政機関においては、厚生労働省や農林水産省をはじめとする国の中央官庁をはじめ、都道府県や市町村などでは組織内に食品衛生管理を担う部署が設置されており、また協同組合や公益法人などの団体でも、食品試験場などでの人材ニーズは安定しています。そのほか教育機関においても、大学・短大や大学院、食料系の専門学校などの教員・研究者にでも、採用される可能性が高く期待されます。
食品の安全と機能を深く理解し、グローバルな市場の動向にも対応できる コミュニケーション能力と問題解決能力をもった「食の専門家」には、今後ますます高いニーズが寄せられていくと思われます。
食品安全健康学科卒業生の就職展望/予想される就職先と職務内容
分野 | 食の安全・安心(食品安全科学分野) | 食の機能と健康(健康機能科学分野) |
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企業 (食品・製薬) |
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研究機関 |
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教育機関 | 大学・短期大学(大学院)、専門学校 など | |
行政機関 | 公務員(行政官・規格検査基準値制定)、博物館(サイエンスコミュニケーター)、食品衛生監視員(検疫所・地方厚生局・保健所) など |