人間栄養学分野 保健栄養学研究室
健康寿命の延伸とQOLの獲得には食事と身体活動への配慮が必須である。食生活を中心としたライフスタイルが健康におよぼす影響について子どもから高齢者、女性、スポーツ選手などを対象としたフィールド調査を通して健康的な食生活のあり方を検討している。また、栄養教育、食行動変容などの各種介入研究も行っている。
KEYWORDS
スポーツ栄養、栄養教育、女性の健康、子どもの食育、健康の維持・増進、アフリカの栄養改善
健康を支える食と栄養をみつめる
超高齢社会の到来とともに、生活習慣病の予防が重要な課題になっている。毎日を健康的に過ごすことにより、生活習慣病は予防できるという観点から、当研究室では特に食事と運動に着目。食生活および運動習慣のあり方が健康およびQOL(生活の質)におよぼす影響について様々なライフステージにおける人(児童・生徒、成人、高齢者、スポーツ選手など)を対象に調査し、課題と解決策を明らかにするなど、健康な長寿社会実現に向けた各種研究を展開している。また、食育による行動変容や栄養状態の改善方策を探る介入研究をおこなっている。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・健康と生活習慣病予防のための栄養疫学
・ケニアにおける栄養不良の二重負荷の改善
・安定同位体を使用したエネルギーとエネルギー産生栄養素の代謝の評価
・スポーツ選手の食事とコンディショニングに関する研究
・月経周期と食事の観点からみた女性の健康管理
・子どもの健康と食習慣に関する研究
FREE TALK
卒業研究の感想
私は高齢者の骨密度低下とその要因について研究しました。具体的には、山梨県の緑豊かな山間地域を訪問して、そこで生活している高齢者を対象に調査を実施し、そのデータを大学の研究室に持ち帰って解析しました。
この研究で私が得たものは、解析結果もさることながら、研究の過程における人との関わりでした。調査にご協力いただいた高齢者の皆さんや、共に研究を行った先生方や仲間逹など、調査期間中は多くの人との会話がありました。
私は卒業後、東京都の栄養士として働きます。一つの研究を行うにあたって多くの人々と協力してきたことを忘れずに、人との信頼関係を大切にできる管理栄養士になりたいと思います。
(4年生 C.H)
卒業研究の感想
私たちの研究班では、不規則な生活を送る医療・介護施設の昼夜交代制勤務者の健康増進および生活習慣予防を目的とした栄養教育を行うために、交代制勤務者が、いつ、どのような食事を摂っているのか把握し、食事内容と血液データなどの栄養状態との関連を、日勤制勤務者との比較を含めて詳細に検討しています。
研究対象者が忙しい仕事に従事している方々であるため、いかにして多くの方から調査への協力を得るか、どうしたら負担を軽減した上で正確な調査ができるかなど、調査をすることの難しさを学びました。その反面、多くの方と関わることで、医療・介護の現場で働く方々の様子を直接伺うことができたり、対象者との接し方なども学ぶことができました。また、食事記録調査があったため、入力や集計は大変でしたが、料理に使用される食品の重量やエネルギーなどの概要を把握することができました。卒業後、私は病院で管理栄養士として働く予定です。調査を通して学んだことを活かしていきたいと思います。 (4年生 S.M)
卒業研究の感想
卒業研究では、運動前に卵白たんぱく質と大豆たんぱく質を摂取してもらい、その効果の違いについて観察しました。
卒業研究を通して、ラットではなくヒトを対象とすることの難しさや面白さ、また、血液や尿成分の見方を学ぶことができました。
実験期間中は被験者には制限食を食べてもらっていたので、きっと精神的にも負担がかかっていたのではないかと思います。しかし動物実験との1番の違いは、直接被験者とコミュニケーションがとれるということ。できるだけ被験者の負担が少しで済むように、常に被験者の希望を聞いて反映できるように努力していきました。
春から私は整形外科の管理栄養士として、患者さんやスポーツ選手のサポートをしていくので、研究で学んだように相手と常にコミュニケーションをとり、相手にとって最高の状態を作れるような管理栄養士になりたいと思います。
(4年生C.M)