食品栄養学分野 フードシステム管理学研究室
食品中には、体の生理機能を調節する機能を持つ成分が含まれている。これらを効果的に活用することで、健康の維持や疾病の予防が期待される。私たちの研究室では、食品中の機能性成分の探索、分析およびその作用メカニズムの解明に取り組んでいる。さらに、食生活におけるウェルビーイングの向上を目指し、食品の味や品質向上に繋がる条件の検討および成分分析を行うなど、化学的な観点から食品の機能性および嗜好性に関する研究を展開している。
KEYWORDS
食品機能性成分、食品分析化学、食品衛生、呈味成分、食品加工
私たち人間が健康な生活を送るためには食品は必要不可欠である。そのため、食品の安全性を担保することは非常に重要である。当研究室では、食品素材、食品成分および有用微生物から抗菌作用を有する化合物を見出し、それらの化合物がどの様なメカニズムで抗菌作用を示すのか明らかにすることで新規な微生物制御剤の開発を目指している。さらに、食品に含まれる人体に有用な成分だけではなく人体に悪影響を及ぼす微量成分の分析技術の開発など食品の安全性および機能性を化学的な観点から研究を行っている。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・ソバ粉加水分解物中のⅡ型糖尿病発症関連酵素抑制成分の探索
・誘導体化試薬を用いた食品中のヒスタミン迅速分析法の開発
・アセチルコリンエステラーゼ阻害物質の探索
・低利用資源からの有用成分探索に関する研究
・スパイス中の有用成分の探索
FREE TALK
卒業論文作成など研究室活動の感想
研究室配属後は食品の機能性に関する研究を行いました。
大学に入って授業で実験を行うことはありましたが、研究室では結果のわからないことを追求していくという経験をすることができます。
特に私の班は普段から食べている食品を対象としていたため、研究が身近なものに感じられ毎回結果を楽しみに研究を進めることができました。ひとつひとつ時間がかかる操作であるため、何か失敗するとまた時間をかけてやり直すといったこともあり、難しさを感じることもある反面、そこまで含めた面白さを感じられました。
国家試験の勉強と研究室活動を並行して行うことを大変に感じることもありますが、今後きっと経験することのできないことができ、今後役に立つことをたくさん学ぶことができます。研究室活動を行うことで充実した大学生活になったと思います。
(4年生)
卒業論文作成など研究室活動の感想
食品を加工する際に生じる有効な成分を抽出した後の残渣や、加工工程で発生する副産物といった普段捨ててしまっている食品廃材を対象として、抗糖尿病作用や血圧上昇抑制作用、抗酸化作用を探索する研究を行いました。地道に繰り返し作業を進めることもあり、大変に思う時もありました。しかし、自分の手で少しずつ研究結果を集めることで、今までは捨てていた物の新たな可能性を切り開いている実感がわき、その瞬間がとても嬉しく、やりがいに感じました。休憩時間には研究の事はもちろん、その他プライベートのことなど、沢山のはなしをし、同期の仲間や先輩、先生とコミュニケーションをとることで、楽しみながら研究室での生活を送ることができました。ペアの仲間と連携をとって研究の計画を立て、実施し、考え、伝えるといった研究活動を通じての一連の経験は、今後の糧となる充実した貴重な経験でした。
(4年生)
卒業論文作成など研究室活動の感想
私たちは、食中毒の原因物質であるヒスタミンの迅速分析法の開発を行っています。ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。HPLCという機械を用いてヒスタミン等の不揮発性アミン類の分析を行なっています。
フードシステム管理学研究室は、黙々と実験を行うことができ、自分の実験テーマをより深く突き詰められるところが魅力です。優しい先生たちと一緒に楽しい研究生活を過ごしましょう!
(4年生)