栄養科学科
世田谷キャンパス
「管理栄養士」は傷病者の療養や、乳幼児をはじめ高齢者、スポーツ選手など、様々な人々の健康づくりのため、高度な専門的知識及び技術を要する栄養の指導および、学校や病院、事業所などの給食管理をおこないます。「管理栄養士」によるヒューマンサービスが今最も求められています。
学科基本情報
管理栄養士の国家試験受験資格を卒業時に取得
管理栄養士は「疾病管理における要」として患者の早期治癒や早期退院を促すことを目的とするチーム医療に食事の管理指導面から介入することで、医師・看護師・薬剤師などとともに医療スタッフに位置づけられています。近年、それは高齢者福祉施設や学校、企業の社員食堂でも同様であり、有能な管理栄養士は施設に“プラスの循環”をつくり出すキーパーソンとして期待されているのです。
栄養科学科では、所定のカリキュラムを修了すれば、卒業時に管理栄養士国家試験の受験資格を得ることができます。将来、病院や学校、福祉施設などの給食提供の場で利用者の状況に応じた栄養管理と国や行政機関、保健所や地域で健康づくりのための食育が実践できる“栄養の管理者”を養成しています。
指定カリキュラム以外にも多彩な独自科目を配置
栄養科学科の主要分野である食品学と栄養学は、生化学をベースとしています。そのために必要な化学と生物の基礎知識を確保するために、1年次前期には習熟度別のクラス編成で「基礎化学」と「基礎生物」が開講されています。
カリキュラムは管理栄養士養成のための厚生労働省の指定科目が多くを占めますが、食と農をつなぐカリキュラムが東京農大独自の管理栄養士を養成します。1年次には調理学実習、2年次にはソーセージ・ジャム・こんにゃくづくりを体験する食品加工学実習など、食品生産に関する知識も広げます。3年次からは指定カリキュラムとして臨床栄養学実習、給食経営管理実習など実践的な科目を履修するとともに、「臨地実習(一)(二)」として給食施設や保健所、病院で計4週間にわたる学外実習をおこないます。
管理栄養士国家試験対策の科目も段階的に開講
4年次には、卒業研究が必修科目として配置されています。卒業研究を通して「コミュニケーション力」「課題設定力」「問題解決力」を育成します。前期に「総合演習(一)」、後期に「総合演習(二)」を開講し、管理栄養士の職務遂行に必要な素養をみがきます。そして、国家試験に向けた受験勉強も重要な課題になります。国家試験の傾向と対策をくりかえし実践指導し、卒業時に現役合格をめざす学生を支援しています。
教員・研究室紹介
人間栄養学分野
食品栄養学分野
学科共通
菅原 薫 助手/山村 祐子 助手/勝山 小百合 助手/山下 紗緒里 助手/山田 里穂 助手
PICK UP
1年次
必修
食品分析学実験
食品の基本的な構成要素であり、栄養学上の重要な役割を担っている水分、タンパク質、脂質、糖質、灰分などの「一般食品成分」を公式な基準に則った方法で分析する実験によって、食品分析の基本的手法を習得します。きな粉中に含まれる脂質の定量や炭酸飲料中のリンの定量など、食成分の化学的な取り扱いに関する理解と、成分を分析・評価する能力を養います。
3年次
必修
公衆栄養学実習
地域に生活する妊婦、授乳婦、乳幼児、学童、青年、成人、高齢者の食生活上の課題を発見するため、各種資料を集め、分析する具体的方法を習得します。加えて、食教育手段としての個別教育の実際と集団教育の実際を体験して学習者となる住民の健康づくりのための食生活支援能力を養います。
3年次
必修
臨床栄養学実習(二)
患者の病気発症の経緯や、入院後の症状、臨床検査データや治療法などを総合的に理解し、病気の改善に欠かせない栄養法を実施するための具体的な方法を学びます。経口栄養法、病院食の分け方などの習得や、脂質異常症や高血圧症の治療食の献立などの実習によって、食事療法をおこなう際の個々の患者の栄養状態の評価や、予後の評価が適切に実施できる栄養管理能力を養います。
卒業後の進路
大学院との連携
食品栄養学専攻 博士前期・後期課程
食品栄養学専攻は、食品の開発や安全性確保、医療における食事療法などの専門的な研究を行い、さらに食品学および栄養学領域において豊富な専門知識・技術と研究能力を持った研究・産業発展の指導的立場を担える高度な専門家となる人材の養成を目的とします。