食品機能・理化学分野 栄養生化学研究室
食料や未利用資源に含まれるタンパク質、脂質、糖質、ビタミンあるいは種々の成分などが、生体機能の恒常性すなわち健康維持や増進とどのように関わっているかについて個体から細胞内レベルまで総合的に研究。
KEYWORDS
機能性食品、メタボリックシンドローム、癌、ケミカルバイオロジー、細胞内シグナル伝達
健康を食品・生体機能から複合的に探究する
生命現象を分子のレベルで解析し、そこから新たな栄養素の機能を探ることで人体と栄養素との相互作用の上に成り立つ健康について追求している。具体的には、新規の食材や既存の食材の新たな栄養機能評価の検索を目的とした研究、代謝産物がシグナルとして生体内に及ぼす影響の解析、細胞の物質取り込みや癌抑制機構の解明を中心とした細胞内でのイベントを分子レベルで解析する研究、そして、生体にとって有用な物質を探索するケミカルバイオロジーの研究という4つの研究テーマを設定し、研究活動を行っている。
研究紹介
所属教員
学生の主な研究テーマ
・腎臓におけるビタミンB12とビタミンAの協調的再吸収メカニズムの解明
・Rap1による細胞間接着制御メカニズムの解明
・インスリン抵抗性モデル動物を用いたRBP動態解析
・糖代謝系におけるD-ヒスチジンの機能解析
・腫瘍抑制遺伝子産物TSC2の新規結合因子の探索
・ビタミンCトランスポーター(SVCT)の細胞内動態解析
・GABAシグナリングにおけるTSC2の新規メカニズムの解析
FREE TALK
先生との思い出
栄養生化学研究室では、3人の先生方が一丸となって、私たちの卒業研究や研究室の生活全般にわたって指導していただきました。時には厳しく、時には優しく、そして温かく、私たちを見守っていただいたような気がします。研究するときも、イベントも先生方はいつも真剣勝負で私たちに接していただいたような気がします。卒業研究を通じて、論理的思考能力と実験手法を丁寧に教えていただきました。また、栄養生化学研究室だけに、「食生活」の大切さを、実際にみんなで食べたり飲んだり騒いだりすることで身につけることができたと思います。これから、社会に出て必要な礼節を教えていただいたのも、先生方からだったと思います。
研究室旅行の感想
年に1度毎年9月頃に研究室旅行に行きます。
場所や日程などは、旅行係を中心に何ヶ月も前から「親睦を深めよう」をコンセプトに楽しいイベントなどを企画しています。
特に3年生にとっては、研究室配属後の初めてのビッグイベントであり、ここで研究チーム配属が決定するのでドキドキな旅行です。
この旅行を通して、先輩は後輩と、後輩は先輩と、また、学生は先生方と仲良くなることができるのでただ楽しいだけの旅行ではなく、実験や研究を行なう上で大切なコミュニケーションをとるための非常に重要な研究室のイベントであると私は感じています。
卒業研究の思い出
私は、ビタミンB12の研究を行ってきました。ビタミンB12は、海藻や魚類や肉類に含まれています。これらの食品からビタミンB12を摂取したのち、体内で血液を介して様々な臓器に運ばれています。私は、腎臓に運ばれたビタミンB12が、どのような挙動を示すのかを組織化学的手法を用いて検討してきました。実験がなかなかうまくいかなかったり、出てきた結果をどのように解釈してよいのか、わからないことがあったり、苦労することは多かったですが、先生や先輩からいろいろなアドバイスをもらいながら進めることで、研究自体の楽しさを知ることができました。この研究を通して、ビタミンB12のまだ知られていないことを自分で明らかしているという実感も、たのしさに拍車をかけてくれました。