生物生産・環境化学分野 土壌肥料学研究室
土壌は食料生産の基盤のみならず、地球生態系のサブシステムとして環境調節機能を発揮するなどの重要な役割を担っている。本研究室では土壌の持続的な利用法に加えて、SDGsに則った廃棄資源の肥料化についての研究に取り組んでいる。
KEYWORDS
土壌炭素貯蓄、土壌病害対策、資源リサイクル、SDGs、持続的食料生産、地球温暖化抑制、環境化学
「土と植物の不思議」にチャレンジ!
土や植物には不思議な力がある。水や空気や養分を蓄えて植物を育てる力、ミミズなどの土壌動物やバクテリア・カビなどの土壌微生物をすまわせる力、生ごみなどの有機物を分解して肥料に変える力、ダイオキシンのような有害物質を分解して無害化する力、汚れた水を浄化する力、人の心に安らぎを与える力…。さまざまな土と植物の不思議な力を、もっと上手に利用して、農産物の増産と品質向上、資源のリサイクルと環境保全にチャレンジ!
土と肥料と植物、それに環境をとことん科学する、それが土壌肥料学研究室だ。
研究紹介
所属教員
学生の主な研究テーマ
・マイクロ波による地温上昇が植物の生育に及ぼす影響
・実用化に向けたゼオライトを骨材とする植生コンクリートブロックの利用性の検討
・カルシウム添加が塩ストレス条件下におけるタバコ培養細胞の酸化ストレス応答に及ぼす影響
・オオミズゴケにおける低濃度リン酸吸収機構の解明
・施肥改善と太陽熱消毒によるフザリウム病の総合防除対策
・コマツナ栽培における搾油生ごみ肥料の連用試験
・野菜栽培における施肥形態の相違が窒素溶脱量に及ぼす影響
FREE TALK
研究室の思い出
私は卒業論文の研究において、世田谷区や新宿の京王百貨店から排出される生ごみを原料として作成した【みどりくん】を、千葉県船橋市の施設園芸ハウスでコマツナ栽培に利用して、有機質肥料や化学肥料で育てたコマツナと生育や品質に違いがあるのか、また土壌環境へどのような影響があるのかについて調査を行いました。コマツナは播種後、約1ヶ月で収穫を迎え、年間に5~6作栽培されるため分析が忙しく辛い時がありましたが、結果や成果が出た時はとてもやり甲斐を感じました。研究室はとても楽しく、時間に余裕があれば仲間と食事や旅行に行ったりなど、有意義に過ごすことができました。 (4年、大木)
春のオリエンテーション!
毎年春には、1泊2日で長野県川上村へ旅行に行き、土壌診断の基本である土壌の採取方法を先生が実際に行ってくれ、直に学ぶことができます。夜は宴会もあり同級生や先輩、先生方と仲を深められます。研究室配属が決定してからすぐの旅行になるので不安や緊張が大きいかもしれません。しかし、研究室の雰囲気を感じ、同級生と仲良くなるきっかけになるので帰る時にはとても充実した気持ちになれました。 (4年、吉田)
季節の中で
植物の生育に関わる研究を行う当研究室の卒業論文では、四季を体感するのにもってこいだ。まだ肌寒い春から気を失いそうになる熱気の中の夏の温室、横で育てていた野菜がおいしく実る秋、寒くて生育不良の植物に愛情を注ぎ騙し騙し育てる冬。でもせっかく育てた植物はその後に分析と称し、からからに乾燥させられたりドロドロのペースト状にさせられたりする。そんな季節を乗り越えて得られるデータは、一見では分からない宝の宝庫だ。植物が地に根ざし生長し、必死に生きていこうとする様がありありと浮かぶ。それを見たら僕も一生懸命生きていかなければなぁと思うのだった。 (4年、竹内)
研究室室長のコメント
私はマイクロ波発生装置を使用して、微生物資材を添加した土壌の地温を変化させたときに植物の生長にどのような影響があるかについて研究しています。私がこのテーマに決めたのは微生物資材の効果に興味を持ったからです。植物の管理は大変ですが栽培を続けると非常に愛着が持てます。4年生の時生産環境化学研究室の室長をやって、研究室は単なる実験の場ではなく友達や先輩、先生との交流の場であることを強く感じました。大学でも、勉学もさることながら交友関係はとても重要です。生物応用化学科へ入学し、部活やサークルなどの交流の場に積極的に参加して幅広い人間関係をつくり、充実した大学生活を過ごしてもらいたいと思います。
(4年、木村)