カピバラの発情周期の特定と妊娠診断が可能に
2021年2月26日
動物生殖学研究室の諸橋菜々穂さん(2019年度 博士前期過程修了)、佐野宙矢さん(2020年度博士後期過程1年)、白砂孔明教授らの研究成果が日本野生動物医学会誌に掲載されました。本研究は、東京農業大学、埼玉県こども動物自然公園、伊豆シャボテン動物公園との共同研究により実施されました。
カピバラは南米に生息する最大のげっ歯類で、近年では国内の多くの動物園や水族館で飼育されている人気の動物です。東京農業大学の動物生殖学研究室でも、雌雄1頭ずつのカピバラを飼育管理しています。カピバラの計画的繁殖には繁殖生理の理解が重要ですが、その情報は限られています。本研究では、麻酔等を使用しないハズバンダリートレーニングを応用した低侵襲性の採血方法をカピバラで確立しました。定期的に採取した血液および糞内のプロジェステロン・エストロン3硫酸・エストラジオール等のホルモンを測定することで、カピバラの発情周期の特定や妊娠診断が可能であることが分かりました。
今後、確立した採血手法で得られた血液を解析することで、カピバラの繁殖生理の解明だけではなく、カピバラ特有の機能の探索などを実施していく予定です。
論文名:カピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)の血液および糞を用いた発情周期の推定と妊娠判定方法の検討
著者名:諸橋菜々穂、佐野宙矢、加藤孝典、豊田英人、中村智明、竹田正裕、桑山岳人、白砂孔明