東京農業大学

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動物の特性と生命現象の探求

ケトン体βヒドロキシ酪酸がマウスの胎盤炎症や流産を抑制する

2021年10月28日

動物生殖学研究室の昨年度大学院修了生の平田良樹さん、大学院前期課程の嶋崎紗也華さん、白砂孔明教授らの論文が、国際誌Journal of Reproductive Immunologyに掲載されました。
妊娠の成立や維持には適切な免疫制御機構が重要ですが、このバランスが崩れてしまうと流産や早産が発生してしまいます。本研究では、この異常妊娠を抑制する可能性について検討を行いました。
妊娠中のマウスにLPSという細菌を投与すると胎盤炎症や流産・早産が引き起こされ、異常妊娠のモデルとして良く使われています。このモデルを用い、妊娠中のマウスにケトン体の1種であるβヒドロキシ酪酸を予め投与しておくことで、LPSによる胎盤炎症や流産が抑制されることを明らかにしました。特に、βヒドロキシ酪酸は“NLRP3インフラマソーム機構”という自然炎症を制御するシステムを抑制することで、胎盤炎症や流産を抑制することを明らかにしました。
本研究は、東京農業大学と自治医科大学との共同研究にて実施されました。

ケトン体βヒドロキシ酪酸がマウスの胎盤炎症や流産を抑制する

論文名: β-hydroxybutyrate suppresses NLRP3 inflammasome-mediated placental inflammation and lipopolysaccharide-induced fetal absorption
著者名:Hirata Y, Shimazaki S, Suzuki S, Henmi Y, Komiyama H, Kuwayama T, Iwata H, Karasawa T, Takahashi M, Takahashi H, Shirasuna K.
J Reprod Immunol. 2021 Oct 5;148:103433. doi: 10.1016/j.jri.2021.103433

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