東京農業大学

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動物の特性と生命現象の探求

ミナミコアリクイの発情周期と妊娠期間は?

2022年3月22日

 動物生殖学研究室の卒業生の日方希保さん、修了生の諸橋菜々穂さん、学部4年生の樽舞帆さん、白砂孔明教授らの論文が日本野生動物医学会誌に掲載されました。本研究は、東京農業大学と伊豆シャボテン動物公園との共同研究により実施されました。

 ミナミコアリクイはオオアリクイ科に属するアリクイで南米に広く分布し、肩から尾にかけて黒色のベストを着ているかのような毛色が特徴的です。
 ミナミコアリクイを含む動物園動物の計画的な繁殖のためには、基礎的な繁殖生理の情報(発情周期、妊娠期間、ホルモン動態、生殖行動など)が重要です。
 本研究では、個体差を伴わない正確なデータを集積するため、同一雌ミナミコアリクイに対して4年の長期間における採血(約1回/週)を実施し、合計6回の妊娠期間における性ホルモン濃度を測定しました。
 血漿中のプロジェステロン濃度を測定した結果から、同一雌個体における妊娠期間は約157日(152~164日)、発情周期は約45日(37~52日)であることが判明しました。また、プロジェステロン濃度を測定することで早期の妊娠判定も可能であることを示しました。

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子育て中のミナミコアリクイの母親

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解析を担当した日方さん(右側)

論文名:ミナミコアリクイ(Tamandua tetradactyla)の同一ペア繁殖における複数回妊娠中の血漿中性ステロイドホルモンの動態
著者名:日方希保, 諸橋菜々穂, 樽舞帆, 鈴木雄祐, 中村智昭, 竹田正裕, 桑山岳人, 白砂孔明.
日本野生動物医学会誌 2021; 26: 127-134

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