園芸生産分野 野菜園芸学研究室
野菜を育てて、豊かなヘルシーライフ!
野菜はビタミンなどの栄養素、食物繊維やポリフェノールなどを多量に含み、健康維持や病気予防に大きな役割を果たす。さらに、種類、味、香り、色、形状などが多様であり、育てて収穫する喜びも与えてくれるため、食文化を豊かにして、知的創造活動を促す。これらの役割を十分に発揮させるためには、どのように生長・発育するかを明らかにし、適切で効率的な栽培方法を開発しなければならない。そこで、野菜の発芽、生長、花芽分化、糖・色素・香りなどの諸成分の生成・代謝、並びに養分吸収に加え、それらの制御技術の開発などに関しての研究をおこなっている。
所属教員
学生の主な研究テーマ
・野菜栽培への新素材の利用
・トマトの着果特性の解明
・イチゴ果実の高品質化
・パプリカ果実のサラダ特性の向上
・野菜種子に対する新処理法の開発
・キャベツセル苗の定植後の生育促進をもたらす育苗法の開発
・異なる窒素形態がトマト、メロンおよびホウレンソウに及ぼす影響
FREE TALK
卒論実験について
私がトマトの花房発育についての卒業実験に取り組み始めたのは3年生の2月頃からです。その時は4年生がいたので、栽培・調査などについていろいろ教えてもらうことができました。計6回4品種を栽培しましたが、ガラス室内なので、天候によって乾きやすい時があり、毎日遅くとも午前10時には水分状態などをチェックしなければならず、就活と重なった時期もあり、かなりハードな卒論実験でした。しかし、計3名で行ったので、連絡を取り合いながらすることができました。3名でワイワイガヤガヤ楽しく取り組め、休日や空き時間には他のグループとの交流も深まり、多くの思い出を作ることができました。帰りの電車で手がトマトの臭がするのに困ったことも思い出すことの一つです。卒論の結果、これまで教科書に書かれていなかった新しいことを見つけることができ、これが継続されて研究室の成果につながれば幸いと思います。 (倉橋謙介)
収穫祭に関して
私たち野菜園芸学研究室は、第10回収穫祭文化学術展において、通常見ることのないサツマイモの花をメインテーマとし、実際にサツマイモの花を咲かせ、金賞を受賞することができました。5月中旬から様々な特徴を持つ11品種のサツマイモの栽培を始め、当日サツマイモの花を咲かせるために、7月から定期的に、同じヒルガオ科であるアサガオに接ぎ木をしました。室員のほとんどに接ぎ木の経験がなく、なかなか成功せず苦労しましたが、試行錯誤の結果、どうにか収穫祭までに花を見事に咲かせることができ、多くの来場者に興味を持っていただくことができました。この収穫祭での活動を通じ、サツマイモや接ぎ木方法について学習でき、お互いに考えて意見を出し合い、協力し合いながら目標に向かうという貴重な経験をすることができました。 (恩田しおり)
見学に参加して
平成21年度後期の見学では「サカタのタネ 君津農場」に見学に行きました。農場にはたくさんの野菜や同じ野菜でも多くの品種が栽培されていました。比較するために他社の品種も植えられており、品種によって同じ野菜でも形質が全く異なっていました。優れた耐病性品種を作っても、蔓延する病原菌のレースが変化し、消費者のニーズも時代によって変化するので、絶えず新しい品種を追い求めなければならず、一つの品種を作り出すにはおよそ十年の年月を必要とすることが分かりました。貸切りバスで行ったので楽しかった上に、地道な努力と日々の観察や調査を重ね、辛抱強く実験を進めていくことの大変さを学んだ見学でした。 (中村一正)