東京農業大学

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持続可能な循環型社会の再構築を担う人材を育成

地域創成フィールド実習(一)①

2017年10月31日

2017年9月21日(木)~】

今日は学科の必修科目『地域創成フィールド実習(一)』のご紹介を致します。

講義情報

開講学年・学期・時限等:1年生 後期 木曜3~4限(13:00(12:30)~16:10)

担当教員:竹内 康 宮林 茂幸 内田 均 竹内 将俊 入江 彰昭 武生 雅明 下嶋 聖 浅井 俊光 町田 怜子 亀山 慶晃 藤川 智紀 鈴木 伸一 本田 尚正

講義内容

 「地域創成フィールド実習(一)」は自然,人為を含めた野外における地域環境の捉え方,の測定・分析方法を学ぶ重要な演習です。「植物、水質、土壌、景観、気象・防災、地形」の6つの項目を学び、フィールド調査に必要な基礎的な知識,技能等の農業に関連する一般的かつ包括的な知識・技能をバランスよく習得することを目的としています。

今回はその中から「水質」の演習内容をご紹介します。

 基本的に「水質」では、「環境指標や要望水質に定められている項目」の測定方法を習得することを目的としています。しかし、当学科では、実験で測定する水は「どこから」流れ、「誰が、どのように」使っているのかを考え、常に地方創成を意識した実験・演習を行わなくてはなりません。そこで、今回の演習に選んだのは、我が国の農業用水の中でも特に古い歴史を持った神奈川県川崎市の「二ヶ領用水」。初回は各班で担当する採水地点を地形図にプロットするとともに、「多摩川⇄上河原堰提(頭首工)⇄取水口⇄二ヶ領用水(本線)⇄支線⇄農地」のそれぞれの関係を学ぶため、十分な時間をかけ現地見学を行いました。

 まず始めに、実際に二ヶ領用水を農業に利用している「田村果樹園」の田村様に、「二ヶ領用水と地域の歴史、都市農業、果樹栽培」についてご解説頂きました。また、今回は特別に梨園の中にも入れて頂き、学生達も大喜び!以前、演習で体験した川場村とは、全く異なる「都市農業の面白さ、大変さ」について、とても深く学ぶことができました。

 また、特別に当学科の学科長に取水堰(頭首工)の種類や特徴についてご解説頂きました。水利施設もただ見学するだけでは不完全・・・その原理や必要性について一緒に学ぶことによって、「なぜ、この場所に水利施設が必要であったのか」を理解していきます。

 その後、多摩川の上河原堰提(頭首工)へ全員で移動。ここでは、各種採水器具を利用したサンプル水の採水・保管方法、二ヶ領用水(本線)の農業・環境用水としての機能や外来生物の問題等の説明を行った際の動画をご紹介します。

 このように、この場所を流れる「水」がどのような意味を持つものなのかを学んだ後、各班で日を改めて水の採取に行き、実験室で水質測定を行います。測定項目はパックテストによる「COD、PO43--P、NH4+-N、NO2--N、NO3--N」の簡易測定だけではなく、環境指標等に定められている方法でpH(水素イオン濃度)、BOD(生物化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質)、DO(溶存酸素)、CO2(溶存二酸化炭素)と幅広く行います。ここでは、学生達のDO測定と採水地点ごとの測定値の違いについて考察しているシーンをご紹介します。

 初めて触れる実験機器や実験作法にドギマギしつつも・・・水質測定の基礎が楽しく学べたようですね!!

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