商品を手に取っているお客様を見ると うれしさが倍増します。
小池 理菜 さん
国際食料情報学部 食料環境経済学科(当時)平成20年3月卒業 / サントリー食品インターナショナル(株)勤務
農業実習で、食べ物への向き合い方が変化
他大の短期大学で栄養士の資格を取得した後、別の視点から食を学んでみたいと思い、食料環境経済学科の3年次に編入しました。農業経済学や流通学などの座学以外にも、農業実習、フィールド研修などの実習が多く、体感しながら勉強できたのが新鮮でした。
特に印象に残っているのは、編入して間もないころにあったリンゴ農園での実習。摘果作業やリンゴの剪定をしたのですが、リンゴ一つひとつにかけられた手間と愛情の大きさに衝撃を受けました。自分の中では大きな意識の変化があり、その後も、フィールドワークで農家の人と話をするたびに食べ物の大切さを痛感させられました。
インターンシップで食品の商品企画を初体験
現在の会社に入社したのは、インターンシップがきっかけです。2週間ほどのプログラムで、自分でテーマを決めて、実際に味をつくるまでを体験するプログラムでした。
私が考えたテーマは、子ども向けのスープ。お母さんたちの朝は、とても忙しいはず。
短時間でつくれる野菜たっぷりのスープがあれば、子どもたちに食べさせたいと思うのではないかという発想でレシピを考案しました。ニンジンなど子どもが苦手そうな野菜は星型にくり抜いたり、保存が利くようにフリーズドライにしてみたりするなど、調理や加工の技術も使って工夫を凝らし、楽しみながら取り組むことができました。
その後、調理、栄養、経済、流通など、食にまつわるさまざまな分野にチャレンジしてきたことを評価され、サントリー(株)に入社。これまでに茶飲料、特保飲料、天然水、清涼飲料水の開発に携わってきました。
食品開発には、生産から加工までの知識が必須
現在は、果汁入り清涼飲料水の開発を担当しています。果汁・酸味料・香料などを選び、配合を考え、味のバランスをまとめるのが仕事です。ほかにも、国内外の果汁メーカーでの農作業や搾汁工程を視察したり、特定のマーケットに絞った商品提案をしたりするなど、企画や商品管理なども担当。
これまで学んだすべてが、いまの仕事に直結しています。清涼飲料水の魅力は、子どもから大人まで、幅広い年齢層の人に飲んでいただけること。商品を手に取っているお客さまを見ると、うれしさが倍層します。国ごとの嗜好の違いにも興味があるので、ゆくゆくは海外拠点で現地仕様の商品の開発にもチャレンジしてみたいと考えています。