東京農業大学

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微生物が活躍するミクロの世界を先端科学で解明する

バイオインフォマティクス研究室では多種多様な微生物を対象に、微生物のゲノム情報といったビッグデータを活用した研究を行っています。微生物実験メインのWET研究やコンピュータ解析メインのDRY研究、はたまたそれらを組み合わせた研究と、幅広い対象や手法を扱った研究に取り組んでいます。

主な研究テーマは下記の通りです。

培養しない微生物研究

微生物は、ヒトの健康に関わる腸内細菌だけでなく、土壌や空中を漂う微粒子など、あらゆるところに存在します。これまでの微生物の研究は、微生物の増殖に必要な栄養分を加えた様々な培地が研究され、培養することで行われてきました。しかし、自然界の大部分の微生物はこれまでの培地で培養できないことがわかってきました。そこで、微生物を培養する代わりに、その設計図であるDNAを試料から直接抽出し、塩基配列を読み取る「メタゲノム解析」が用いられています。この方法により、様々な試料に存在する微生物やそれらの性質の研究を行っています。

乳酸菌の機能発見

ヒトのみならず、動物や植物の QOL を向上させる様々な機能を持つ乳酸菌。乳酸菌は厳しい環境で生き残るための防御、攻撃、略奪といった戦略があり、その一部が他の生物の QOL 向上に貢献しています。この研究では新たな QOL 向上乳酸菌を探すと共にゲノム情報を用いた生存戦略の仕組みの解明も目指した研究を行っています。また、本学の微生物リソースセンター (https://www.youtube.com/watch?v=pk6h-NcVmeQ) に保存されている乳酸菌を使用し、乳酸菌を通じて社会に貢献することも目指しています。

分子ロボットによる微生物機能の拡張

DNAやRNAなどの生体高分子を材料として分子ロボットを開発することが可能となってきました。例えばDNAを素材とすると、配列設計次第で所望の形状を持った構造体をデザインすることが可能となりましたし、光や生体高分子に応答するセンサー機能や演算を行うコンピュータ機能を持たせることができるようになっています。この分子ロボットを微生物に装着させることで、遺伝子組換えによらずに微生物に機能を付随させる研究を行っています。

機械学習を用いた研究

いわゆるAI技術である機械学習によって我々の生活様式は大きく変わってきています。ライフサイエンス分野も同様に、機械学習を取り入れることで様々なことが可能になってきています。例えば、ゲノムDNAからの微生物同定や乳酸菌の機能予測、腸内微生物叢からの宿主疾患予測、自動分注ロボットと組み合わせた実験自動化、所望の機能を持った酵素設計などがあります。

進化の研究

生物の進化はキャラクターの変化、その変化は細胞分裂毎のゲノムの塩基置換や細胞外からの遺伝子の伝播、細胞内での遺伝子の移動による組換え等によって起こります。同じ生物種でも環境が異なれば個体毎にその環境に適応したキャラクターになり、そのためのゲノム配列になります。特に環境適応能力が高いのは微生物です。この研究では試験管内で様々な栄養的、物理化学的ストレス環境に暴露された微生物が進化して適応するプロセスをゲノム解析により解明することを目的としています。その進化の仕組みが解明することで新たな有用微生物の育種にも活用できることを期待しています。

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