東京農業大学

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開発途上国の発展と地球規模の保全を担うパイオニア

国際農業開発学科オンラインセミナー「ベトナム・メコンデルタの複合農業研究」開催

2021年6月18日

「ベトナム・メコンデルタの複合農業研究」

国際農業開発学科 山田 隆一 教授

 東南アジアにおける「緑の革命」は、米の飛躍的な増産をもたらし、食料輸入の減少による国家財政の改善にも寄与した。このことが、東南アジアにおけるその後の高い経済成長の基礎を築くことともなった。こうした背景の中で、ベトナムにおいては、1990年に入って本格的な米輸出が始まったのである。しかし、2000年、2001年の米の国際価格暴落を契機として、農業多様化の動きが加速された。そこで、注目されてきたのが、メコンデルタにおける資源循環型複合農業であった。これは、稲作、養豚、果樹作、養魚の各部門を副産物の交換を通じて結合させた農業システムであった。注目理由は、資源循環型複合農業が、個別農家の農業所得を向上させるだけでなく、資源の有効利用を通じて環境保全にも貢献し得るからであった。ただし、水稲作における肥料・農薬の多投による河川や水路の水質悪化問題や養豚の糞尿処理問題など複合農業内の課題もいくつか残されていた。そこで、メコンデルタプロジェクト研究が実施され、こうした課題を克服するための技術実証試験が行われたのである。本報告では、その実証試験の結果を主として経営経済的に分析しながら、メコンデルタにおける新たな資源循環型複合農業の方向性を提示していく。

開催情報

2021年7月11日(日) 14:00〜16:00

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