東京農業大学

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開発途上国の発展と地球規模の保全を担うパイオニア

乾燥地のジプチに生息するマングローブ林、これがジプチの農業の鍵に⁉

2019年5月24日

マングローブと呼ばれる木本植物の一群は,熱帯・亜熱帯の河口や沿岸など,海水が頻繁に浸入する地域においても生育するための特殊な性能を有しています。通常の植物は生育できないような,塩分の高い土壌環境で生育することができる耐塩性を備えているのです。しかしマングローブは,その生育に淡水はまったく必要ないかというとそうではなく,その量は樹種により異なるものの,ある程度の淡水は必要と考えられています。

ところで本研究の対象地であるジブチ共和国は,アフリカ大陸の東北端,「アフリカの角」と呼ばれる地域の西隣に位置しています。極めて乾燥した地域で,年降水量は100mm程度であることから国土の大半は沙漠(つまり植物はほとんど育たない)で,通常の河川は形成されません。

ところが驚くべきことに,極乾燥地のジブチにおいても国土本端の沿岸域とタジュラ湾に浮かぶムシャ島において,マングローブ群落が観察できるのです。ムシャ島ではRhisophora mucronata(和名でいうヤエヤマヒルギのなかま)とAvicenia marina(ヒルギダマシ)が生育し,とくに前者は立派な群落を形成しているのですが,ここで学問的な疑問が生じます。なぜRhisophora mucronataが極乾燥地で群落を形成できているのか,です。というのはRhisophora mucronataはその生育にある程度の淡水が必要とされているからです。

そこで本研究では,ムシャ島に生育するRhisophora mucronataが吸収利用する淡水の供給源を明らかにすることを目的としています。その淡水は,遠く南方のエチオピア高原あたりに端を発し,ジブチ国内を北方に伏流し,ムシャ島あたりで湧き出ているのかも知れないと考えています。もしその仮説が真であるならば,深層地下水を利用した,新しい乾燥地開発モデルの確立にも貢献できるでしょう。

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