東京農業大学

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食を通じてより良い社会を実現する「食のディレクター」を育成

ディズニー商品開発の経験から「食」のマーケティング研究者の道へ

食料経済研究室 佐藤みずほ 先生

1.これまで取り組んできた仕事・研究

管理栄養士の資格を有し、現在までに食品会社2社及び文部科学省に勤務し、実務経験を積みました。
また、フードバンクの活動や環境省の食品ロス委員会で食品ロス削減に取り組んできました。

その中で、はちみつ、メープルシロップの甘味料メーカーでは主にディズニーストアさん、オリエンタルランドさんの商品開発を行ってきました。多い時は、年間、約8品の新商品を開発しました。
商品開発は、商品アイデアの探索、アイデアの選別、試作、商品化の過程を経て完成されます。商品のアイデアの探索、選別では、商品の製造元、投資目標、生産数量、販売時期など商品の概要を固めます。ディズニーさんの場合は、年間4パータンのアート(デザイン案)が発表されますので、そのデザイン案に沿って内容を掘り下げていきます。そして、ある程度、商品化に近くなった段階で、試作品の作成、品質、納期確認を行います。そして、販売となります。
こうしたプロセスを踏まえて開発された商品の寿命は約1年でした。長いものでは約5年販売している商品もあります。新商品開発をする度に上記のプロセスを踏み、様々な問題をクリアしながら行ってきました。しかし、このような仕事を数年行ってきたある日、もう少し、効率のいい食品流通システムを考えたいと思うようになりました。そこで、慶應義塾大学大学院のシステムデザイン・マネジメント研究科に社会人大学院性として入学し、食品廃棄問題をテーマにして博士号を取得しました。

※システムデザイン・マネジメントとは、技術システムの設計から社会システムの構想提言まで、大規模・複雑で不確定要素の多いあらゆるシステムを創造的にデザインし、確実にマネジメントするための学問体系およびその実践を表します。

2.大学への教育活動

この学科では、問題解決型学習を各学年で行っており、1年生から各先生のゼミに分かれて演習を行います。具体的には、1年次に基礎ゼミ研修、2年次にフィールド研修、そして、3年次にフィールドリサーチといった科目があります。

これらの実習科目を通じて、自ら問題を発見し、解決する方法を考える力を育てています。
今年の私の1年ゼミでは、新商品開発に必要とされるアイデアの創出に注目し、システム・デザイン思考を用いながらアイデアを形にし、実際に企業に提案することを行っています。また、それ以外に牛乳及び野菜のサプライチェーンをベースに廃棄の低減化に資するためのゲームを作成し、その教育効果を検討しています。 今後は、今までの経験を活かし、食分野における実践能力のある学生を育てていきたいと思います。また、持続可能な社会を構築していくために食品産業や消費者のライフスタイルをどのように変革していけばよいかなどの課題を、演習や問題解決型学習を通じて考えさせることで自ら考える力を持ち、何事にもリーダーシップを持ってチャレンジし、やり抜く学生を育てていきたいと考えています。

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