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食料環境経済学科 3年生・中村優斗さん(フードシステム研究室)が企画した農業インターンシップの取り組みがNHK総合の地域情報番組「ひめポン!」でクローズアップされました

2022年9月26日

 食料環境経済学科 3年生・中村優斗さん(フードシステム研究室)が企画した農業インターンシップの取り組みがNHK総合の地域情報番組「ひめポン!」でクローズアップされました

詳細情報

【放送日】8月26日(金)午後6:10〜午後7:00
【放送局】NHK総合1・松山
【番 組】「ひめポン!」

書き下ろし記事

東京農大生が担い手不足を解消
―農業インターンシップによる関係人口の創出―

食料環境経済学科 フードシステム研究室 3年 中村優斗

 山と海に囲まれた自然豊かな愛媛県西予市明浜町。町のキャッチフレーズは「潮風とみかんと心ときめく町」。ここに東京農業大学の学生20名が集結しました。目的は「みかんインターン」。1週間かけて柑橘農業や真珠・ブリ・ハマチの養殖・加工など、地域の主要な産業を体験してもらいます。

 「みかんインターン」はワカモノ向けの農業インターンシップです。私は去年の夏から、この開催を通じて明浜町に大学生を呼び込む活動に取り組んできました。活動の目的は2つあります。大学生が一次産業の人手不足を解消すること、地域の関係人口を創出することです。明浜町は他の地方農村と同様に、ワカモノが外に出て行き高齢化が進んでいます。近年では、農家数の減少によって町の選果場は閉鎖され、地域の農家が築いてきた「明浜みかん」というブランドも失われました。

 「みかんインターン」の特徴として、年に2回開催している点があげられます。一般的な農業インターンシップや農業アルバイトは、年1回だけ農業の繁忙期に行われます。しかし、それではせっかく現地に滞在しても農作業に追われて、地域を知る機会は限られてしまいます。これに対して「みかんインターン」では、繁忙期の冬だけでなく農閑期の夏にも開催し、地域のさまざまな体験ができる移住体験のコンテンツを設けています。参加者の大学生には、繁忙期の1度きりの付き合いではなく、何度も明浜町を訪れて関係人口になってもらいます。

 インターンシップ期間中は初日のガイダンスで、実際に町に移住した人と交流会を行い、「移住」を自分ごととして考えられるように工夫しています。また最終日には、1週間滞在した感想と地域活性化のアイデアを発表してもらいます。アイデアの中で現実的なものは、発表した学生とともに実現にむけて動いていきます。

 このように「みかんインターン」では、参加者の大学生と地域との密な関係を育んでいます。さらに、それぞれの参加者が地域の発信をすることで、町に関わる人の輪はより一層広がっていきます。今後、「みかんインターン」の参加者の中から移住者や定住者がでてくることを願っています。

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 私がこうした地域活性化の取り組みを企画した動機は3つあります。1つ目は、私は小学校入学前まで愛媛県に住んでおり、地域に何か恩返しをしたいと考えていたことです。幼稚園の頃の友達たちは、今でも会って遊ぶほど仲が良いです。

 2つ目に、大学1年生の夏休みに初めて明浜町のみかん農家でアルバイトをして町が大好きになり、周りの大学生を連れてきたいと思ったことです。町の景色はあまりにきれいで、自分1人だけで来るのはもったいないと感じました。これが「みかんインターン」を思いついたきっかけです。私は大学入学後、コロナ禍で実習ができない大学生に農家実習の機会を作る活動も行っており、農業に関心のある多くの学生と付き合いがありましたので、まずはこの活動で出会った人たちを中心に参加者の募集をはじめました。

 3つ目は、大学の講義や部活動などで得た知識や経験を実践したいと考えたからです。私が所属している経済学科では、食や農を通した地域活性化についての授業や研修があります。各地の農村で農業の担い手不足が問題となるなか、どうしたら地域に人を呼べるのか、地域活性化のためにどのような農業を行えば良いのかなどを学んできました。また経済学科では、欧米やアジアの国々の事例にも触れる機会があり、日本に応用できる色々なアイデアがあることも知りました。

 部活動でも、私が所属する農友会「村の会」部は全国の各地で農業実習を行い、農家が抱えている問題の解決に向けて取り組んできました。農家ごと地域ごとで耕地面積、土地条件、販路などが違うので、抱えている問題も全く異なります。たとえば千葉県の農家の場合は、見た目が悪いというだけで廃棄されるトウモロコシが問題となっていました。そこで「村の会」では、学内で規格外のトウモロコシを使用した弁当の販売を行いました。

 こうした大学での学びがあったからこそ、「みかんインターン」を開催できていると感じます。今後は明浜町以外の地域でも、農業や林業のインターンシップを開催したいと考えています。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

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