東京農業大学

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あい

【研究室活動】地域社会経済研究室2021年度の活動

2022年4月1日

研究活動

2021年度の地域社会経済研究室は、CSA(Community Supported Agriculture)について研究し、10月に開催した「リモート研究・活動発表会」で発表しました。 

本研究室では、既存文献の分析と並行して運営形態の異なるCSA農家を調査しました。生産者グループが運営するBIOCREATERS(兵庫県神戸市)、複数の生産者および第三者のコーディネーターで運営する岩蔵CSA(東京都青梅市)、生産者が一人で運営する鯵ヶ沢みちたる農場(青森県鯵ヶ沢町)を事例として、現地調査及びZOOMを用いたヒアリングを行いました。
調査の結果、従来の農業よりも消費者と生産者の距離が近いので新規就農者の離農原因の一つである孤独感の解消につながること、先払いなので天候に左右されずに事前に収入が決まる事、また自らで価格決定が可能なので、価格競争に巻き込まれなくてもいい事が確認され、特に新規就農者にとってCSAは有効であると分かりました。
一方でCSAを導入している農家の多くは有機農業で農産物を生産しており、需要が増加した場合、労働力不足により会員を増やすのは難しい点、新規就農者が1人でCSAを始めるには消費者との繋がりを構築するのに時間がかかる点、配達作業、品目管理及び経理事務作業の負担が大きい点等、複数の課題が見つかりました。事務運営上の負担について、岩蔵CSAではコーディネーターの存在が重要な役割を果たしており、生産者の負担軽減に加え、新たな取り組みの発案などにも大きく貢献していました。

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現地調査

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オンライン調査

これらの事から、CSAの持続には、生産者を組織し、また生産者の負担を減らすことのできる仕組みが必要であると研究室で結論が導かれました。地域活性化や農家のサポートを重視する第三者の参画が重要であり、今後のCSAの発展に繋がると考えています。

調査に協力してくださった皆さん、ありがとうございました!

 

視察研修

2022年3月、栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーに行ってきました。

ココ・ファーム・ワイナリーは、シイタケ栽培、ブドウ栽培やワイン造り等の作業の一部を、知的障がい者の支援施設「こころみ学園」の園生に委託しています。ココ・ファーム・ワイナリーでは創業以来、化学肥料や除草剤は一切使わず、園生たちが自然栽培で葡萄を育ててきました。醸造においても葡萄の良さを最大限に生かすため天然の野生酵母を使用しています。知的障がいを持った人たちが、シイタケ栽培、ワイン造りを通して自分に適した仕事を見つけ、やりがいを感じながら働いている様子や、“こころみ園生”としての誇りを持っていることが伝わり、ワイン作りに加えて農福連携の重要性について再認識する機会を頂け、大変勉強になりました。

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