東京農業大学

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金間ゼミ

1.国産紅茶「和紅茶」の復活と和紅茶ビジネスの探求

皆さんはご存知ですか?

かつて日本は5,000t以上の国産紅茶を輸出したこともある紅茶輸出国でした。それが間もなく減少に転じ、やがてゼロになりました。

しかし近年に入り、「和紅茶」の復活が見られるようになりました。和紅茶とは国産の紅茶を指し、日本国内で栽培、製茶された紅茶のことです。

かつて明治政府は,茶業の振興を計るため、そして外貨獲得のために紅茶の製造を薦めました。その後,次第に安く高品質な外国産の紅茶が国際市場に出回りはじめ,まもなく日本の輸出は減少しました。そのような中、いくつかの茶産地で和紅茶が復活し,その生産量は少しずつではあるが増加しています

近年では英国で開催された「Great Taste Awards 2009」で和紅茶が最高の「三つ星金賞」を受賞するなど、海外でも認められた日本産の紅茶が増えてきています。

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金間研究室では,また和紅茶生産の現場の状況を把握するために、インタビューと現地調査を兼ねて三重県にある「松阪マルシェ」を訪問しました。三重県は荒茶生産量全国3位を誇るお茶の産地ですが、荒茶価格は1位の静岡県と2位の鹿児島県に比べて低く、お茶農家の経営は厳しい状況にあります。そのような現状を打破するため、松阪マルシェではいち早く和紅茶の本格製造を始めてきた,先駆的な農家さんです。

さらに本プロジェクトでは,東京農業大学の学生170人に対してアンケート調査を行うなど,定量的な分析も実施してきました。これらを踏まえ,本プロジェクトでは,和紅茶の地域ブランドをつくることを提案しています。各地にある紅茶用品種で、地域ならではの和紅茶を他の産業との連携などで作り販売することで、輸入品に頼っている紅茶を国産の和紅茶へ切り替えることを夢見ています。


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2.イングリーディエント・ブランディング調査プロジェクト

金間ゼミ第2期生(2016年度)は,16名全員で食品における「イングリーディエント・ブランディング」調査を進めています。

(1)企業におけるブランドの役割

食品企業にとって,ブランド力は喉から手が出るほど欲しい要素となっています。消費者である皆さんも,食品を買うときは,ついつい名前を知っていて安心感のある商品に手を伸ばしている,ということが多いのではないでしょうか。

このことは,逆に言えば他に競争する要素がないとき,ブランド力が売上に決定的な影響を及ぼすことを示しています。ブランドは,競争が激しく、供給過多となった市場の中で,ブランドにより自社商品を差別化できる力と言えます。そのため多くの企業は、このように顧客と企業の双方にとって価値を生み出すブランディング活動を採用しています。

(2)イングリーディエント・ブランディングとは

数あるブランディング手法の中に、イングリーディエント・ブランディング(IB)という考え方があります。IBは一言で言うと,「製品の中の一構成要素がその製品全体の価値を決定するほど大きな影響力を持つブランド」となります。

もう少しかみ砕いて言うと,一成分や一部品など,製品全体から見れば一パーツに過ぎないにも関わらず,それが入っているかいないかで,製品の売上が大きく左右される場合があります。このことを,「一要素」という意味の英語(Ingredient)という単語を使って表します。

(3)調査結果

これまでに金間ゼミ生16名で,合計105個のIB商品を発掘してきました。調査には,ネットや文献調査から,足を使った現場調査まで,様々な方法が求められます。

今は,その105個のIB商品を総合的に分析するために,全員で話し合いを続けています。

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3.中高生の研究チームの受け入れ

2016年3月,群馬県立中央中等教育学校の第3学年生7名が金間研究室を訪れ,共に勉強しました。

農業経営に興味を持つという来訪者7名に対し、本学図書館を見てもらいつつ、プレゼンテーションルームにてディスカッションを行いました。群馬県立中央中等教育学校は、群馬県で初めての中高一貫校として開校され,平成26年度からは文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定も受けています。同学校の第3学年では「総合的な学習の時間」の一環として「研究機関訪問」を 計画・展開しており,金間研究室の訪問はその一環になります。

訪問の主な内容は,「日本の小麦の自給率向上」でした。当日は金間准教授から国産小麦の開発動向について講義を聞いた後,今後の展望について意見交換をしました。

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金間ゼミの紹介

研究分野: 技術経営・イノベーション論

研究テーマ: 食品関連産業の競争力分析
研究内容: 食品関連企業の様々な経営情報(技術、知財、ブランド、ICT、会計情報等)を用いて、技術的優位性や収益性、差別化の客観的な評価を行っています。例えば、ブランド力はどの食品企業も喉から手が出るほど欲しい要素ですが、すべての企業が望むほどのブランド力を手に入れているわけではありません。それでは、どうしたらブランド力を高めることができるのでしょう? これを様々なアプローチで探っていきます。その過程では、当然、企業のトップと意見交換をしたり、話を聞きに現場を訪問したりすることもあります。

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