東京農業大学

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動物の特性と生命現象の探求
※2018年4月 畜産学科より名称変更

犬と人はなぜ、こんなにも惹かれ合うのか? ~動物行動学で、犬と人の関係を解き明かす~

日本では現在、およそ1千万頭の犬が人と共に暮らしています。私たち人は、もうずいぶんと長い間、この「犬」という動物と一緒に暮らしてきました。彼らは、時には私たち人の仕事を手伝い、私たちを守り、助け、そして私たちの心の支えになりながら、一生懸命に、はりきって私たちとの生活を楽しんでいますが、言葉の通じ合わない私たちなのに、どうしてこんなにも長い間、仲良くやってこれたのでしょうか?その理由はさまざまでしょうが、私たち人と犬の間に、お互いを思いやり、気持ちを理解しようとする、すばらしい絆が関係作られていることは確かでしょう。私たちはこの「犬と人の関係」に注目し、犬の人への態度や、人の犬への働きかけを題材にしながら、以下の3つの内容を中心に、研究を行っています。

研究の柱1:犬の、飼い主への反応

犬は人と、豊かな表現でコミュニケーションを取ることができる動物です。特に飼い主に対して、その表現が分かりやすくなることは、多くの方が実感されていることでしょう。私たちはこの「飼い主相手だと、犬の行動は途端に分かりやすくなること」に注目しています。飼い主と犬とのコミュニケーションを行動学実験で再現し、解析することで、まだまだ不思議な点が多い犬の些細な行動の意味やメカニズムを解明しています。この小さな発見を積み重ねることで、犬との生活、しつけ方や問題行動治療の助けになる事が、この研究の最終的な目標です。

研究の柱2:犬を夢中にさせるもの

犬は私たち人よりもはるかに、感覚が発達した生き物です。特に嗅覚や聴覚は鋭く、私たちが気付くことができない匂いや音の存在に敏感に反応し、夢中になって嗅いだり聞いたりします。犬を夢中にさせる匂い成分や音を見つけ出すことができれば、例えばお留守番が苦手な犬に、それらを人の外出時に与えておくことで、分離不安などの問題行動を予防できる可能性があります。この研究では、行動学実験と分析化学的手法を用いて、身近な環境にあるものの中から、犬を夢中にさせる「たからもの探し」に取り組んでいます。

研究の柱3:犬の性格関連遺伝子

「性格と遺伝子の関係」は、1990年代の終わり頃からヒトを中心に盛んに研究が行われてきましたが、2000年代に入る頃には犬でも同様の研究が行われるようになってきました。犬は、見た目や特性、性格の異なる400以上もの品種が存在する動物です。犬種による行動の特徴が分かりやすく、かつヒトほど複雑でないシンプルな社会システムを持ち、さらに豊かな表情を示すなどの点で十分に個性を論じることができます。まさに性格と遺伝子の関係を検証するには、最も適切なモデルです。この研究には、分子生物学的手法と行動学的手法を用いています。

動物科学科 動物行動学研究室
獣医学博士・獣医師
教授 増田宏司(ますだ こうじ)

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