ペルーの農業
特徴
ペルーの国土は、塩分濃度の高い海岸砂漠、降雨量の少ないアンデス山脈、雨季には水没する熱帯雨林など、農業に不向きな地域が多い。そのことが貧富の格差、治安の悪さ、教育水準の低さといった社会的問題の大きな要因となっている。そこでそういった地域でも栽培できる作物を開発することで生活水準を向上させるべく、政府主導での取り組みが行われている。
主な作物
キヌア
アンデス山脈原産の疑似穀物。サポニンという毒素を持つため調理には手間がかかるが、タンパク質をはじめとする栄養素を豊富に含み、しかも痩せた土地でも育つため、ペルー政府はその普及に力を入れている。
タルウィ
アンデス山脈で栽培されている食用豆。チョチョとも呼ばれる。繁殖力が旺盛で、タンパク質と脂肪を多く含むことから、栄養源として重宝されている。スープやサラダにして食べる。
カムカム
アマゾン流域に自生する果実。マングローブのように水の中でも生育し、ポリフェノールやビタミンCなどの栄養素を多く含むことから「スーパーフルーツ」として人気を集めている。
クイ
モルモットの仲間で、ペルーでは食用家畜として飼育されている。鶏肉に似た味で、丸焼きや丸揚げにして食べる。
スターフルーツ
輪切りにすると五芒星の形になることから名付けられた。水分を多く含み、梨に似たサクサクとした食感。
インガ
マメ科の植物。パカイとも呼ばれる。サヤと豆の間の白い綿状の部分が甘くて美味しく、「アイスクリーム・ビーン」とも呼ばれる。
アグアヘ
ヤシの一種。その果実には女性ホルモンに近い「植物エストロゲン」という成分が多く含まれており、食べるとバストアップ効果があるとも言われる。
サチャインチ
別名インカナッツ。星型の実に含まれるオイルには老化を防ぐ効果があるとされ、「若返りの実」とも呼ばれる。
生産者紹介
カムカム協会
アマゾン流域で活動する農業NGO。かつては生計のためにコカ栽培に従事していた住民たちに、カムカムの栽培方法を伝えることで麻薬の撲滅を図るなど、農業を通じた社会改良に取り組んでいる。