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中南米の農業

ブラジルの農業

特徴

ブラジルは世界最大の日系人居住地である。アマゾン流域に入植した日系人は当初、胡椒など商品価値の高い作物を単作で大規模栽培することに取り組んだ。しかし、土壌伝染性病害の蔓延や、農地開拓のための森林破壊、需給バランスの崩壊による価格の急落といった問題に悩まされるようになった。そのため近年では林業と農業を組み合わせ、さらにさまざまな作物をバランスよく育てる「アグロフォレストリー」に積極的に取り組んでいる。

主な作物

アサイー

ブルーベリーによく似た形状をしたアマゾン原産の果実。ポリフェノールを始めとする栄養素を豊富に含むことから「スーパーフード」と呼ばれて注目を集め、2013年頃から世界的なブームを呼んでいる。

カカオ

チョコレートやココアの原料として世界中で栽培されている。他の木が作る木陰の方が生育がよいという特徴があり、アグロフォレストリーに向いている。

クプアス

カカオの仲間だが果肉は白く、「白カカオ」とも呼ばれる。その神秘的な味わいから「神の果物」との異名も。ジュースやデザートとして食されるほか、そのオイルはホワイトチョコレートの材料としても使われている。

ピメンタ

胡椒のこと。原産地は東南アジアだが、日本人移民によってブラジルに持ち込まれ、普及した。1950年代には価格が高騰して莫大な富を生み出したが、その結果ピメンタの単一栽培が広がり過ぎ、病虫害の蔓延で大きな損害ももたらした。この経験が、多様な作物をバランスよく育てるというアグロフォレストリーの取り組みへとつながっていく。

デンデ

日本語ではアブラヤシ。果肉から取れるパーム油は食用油やマーガリンの材料として使われるほか、近年ではバイオディーゼル燃料としても注目を集めている。

マラクジャ

パッションフルーツとも呼ばれる。熟すと果皮がグレープフルーツに似た黄色になる果実で、フルーティな香りとキリッとした強い酸味が特徴。加糖してジュースとして食すことが多い。

アセロラ

熱帯アメリカ原産で、サクランボと似た形状の果実がつく。ビタミンCの含有量が高く、ジュース、ジャム、プレザーブ、シャーベット、ゼリーなどに利用される。

生産者紹介

トメアス農業協同組合

北ブラジルではもっとも古い歴史を持つ日本人入植地であるトメアスの農業組合。70年代からアグロフォレストリーに積極的に取り組み、アサイーを始めとする高付加価値作物を世界市場に送り出すことに成功、商業性と自然保護を両立させた農業を実現している。

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