東京農業大学
バイオサイエンス学科
機能性分子解析学研究室
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分子の形が生物の働きを決める

「なぜ薬が効くのか、なぜ匂いを感じるのか」。一見無関係に見えるこれらの現象も、薬の分子(分子とは働きを持つ最小単位のこと)、匂い分子が遺伝子に由来するタンパク質に結合して起こるという共通点を持つ。そこで、植物からは新規の抗アレルギー分子や抗菌分子などを、昆虫からはフェロモン分子を探しだし、それらがどの遺伝子・タンパク質に結合し、どのような仕組みで生物に作用するのかを調べている。遺伝子・タンパク質解析、精密機器分析(質量分析、核磁気共鳴、X線)などを駆使し、有用な分子の創出を行い、医農薬および関連分野への応用をめざしている。


学生インタビュー

タンパク質の形を通して化学反応の筋書きが見えてくる

バイオサイエンス学科4年
深野 和紘

研究室の雰囲気をひと言でいうと「自由」。自分から「こういう研究がしたい」といえばどんどんやらせてもらえるし、実験もマイペースでできるところがいいですね。

今は、大腸菌がもっている、抗生物質の働きをとめる酵素タンパク質の分子構造を解析しているところ。菌から取り出したタンパク質を結晶化し、X線をあて、その曲がり方を写真に撮り、コンピュータ処理して形を割り出していきます。結晶にならなかったり写真に何も映っていなかったりと苦労が多いだけに、最後に分子の形がきれいに見えた時は本当にすっきりします。

酵素の形を目にすると、反応に関わる物質をつかまえやすいよう、実によくできているのがわかります。そこから化学反応がどのように起きるのかという筋書きが見えてきて、すごくおもしろいですね。

タンパク質の立体構造に関しては世界的なデータベースがあり、どのタンパク質でも最初に形を特定した人は名前が掲載されるんです。いつか自分もそこに名前を記したい。その日を夢見て研究に励んでいます。

 

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