■農法班
生物農薬を導入した生物生産技術の体系化による新農法の構築
(1) 研究第1期ではインドネシア、ベトナム、ペルーで研究対象村を設定し、ファーミングシステム調査を実施して経営・技術の現状を解明し、新農法転換への課題を整理した。その結果、新技術導入において経済性が最も重要な要因であることが明らかになり、研究第2期では他の研究班と合同で生物農薬を用いた栽培実験を実施し、新素材の経済評価を行っている。この実験は研究対象村における生物農薬技術の展示圃を兼ね、新農法の普及・確立を目指している。実験圃場はインドネシアでは西部ジャワ(水稲と野菜)とバリ(野菜)、ベトナムでは紅河デルタ(野菜)、ペルーでは中央アンデスのマンタロー盆地(野菜)に位置している。
(2) 研究第2期から対象国に加えたタイでは生物農薬の使用が比較的普及している。中部平原スパンブリ県の稲作と野菜作を中心に研究対象村を設定し、他の班と合同で現在普及しつつある有機農業の実態を解明し、熱帯で有機栽培を確立するための経済的技術的課題の克服を目指している。当班としては農業現場での実態調査を通じて、投入・産出の視点から有機農業と慣行農業の違いを明らかにし、有機栽培の成長課題と可能性を解明している。
(3) 日本国内では網走市において本プロジェクトチームが開発したジャガイモソウカ病制御技術の経済性調査を実施中である。また、上越市の中山間地において、有機農業への転換計画を実地している。地力、病虫害、雑草繁茂状況、収量、生産物の品質、経済性などに関するデータを蓄積するために、下記実験を実施中である。
- 水稲有機栽培実験:移植、直播、紙マルチ、深水管理、機械除草、合鴨、コメヌカ
- 緑肥栽培実験:クロタラリア、クローバ、ヘアリーベッチ、ソルガムなど
- 有機野菜栽培実験:ダイコン、ネギ、アスパラ菜など
- 山羊と羊放牧による耕作放棄地の再開発と輪作体系
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▲インドネシア/ 従来の苗作り法の視察 |
▲インドネシア/ インドネシアのボカシ肥料 |
▲ペルー/ マンタロー盆地の農家 |
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▲ペルー/ 出荷前のニンジンを川の水で洗う(チャンカイ地域) |
▲ペルー/ チャンカイ地域の点滴灌漑栽培 |
▲ペルー/ 多種類のジャガイモ |
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▲タイ/ 有機野菜の袋詰め作業 |
▲タイ/ 中部タイの先進的有機農家 |
▲ベトナム/ 紅河デルタの野菜農家 |
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▲ベトナム/ 紅河デルタの野菜農家 |
▲ベトナム/ 野菜を運ぶ女性 |
▲ベトナム/ バケツによる畑の灌漑 |
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▲新潟/ 有機栽培水田(深水雑草管理実験の失敗例) |
▲新潟/ 上越市の農家圃場で機械除草の実演 |
▲新潟/ 上越市の農家圃場でのアイガモによる雑草防除 |
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▲新潟/ 上越市の農家圃場での紙マルチによる雑草防除 |
▲新潟/ 輪作実験圃場の除草作業を終えて(本学学生) |
▲新潟/ 上越市の農家圃場での有機米機械実験の収穫作業 |
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▲新潟/ 上越市の実験圃場に設置した気象観測装置 |
▲新潟/ 上越市の耕作放棄田でのヤギ放牧 |
▲新潟/ 上越市の有機野菜栽培実験(本学学生) |
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▲新潟/ 学術フロンティアの上越事務所を設置 |
▲新潟/ 上越市の地元農家と交流会 |
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