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講義の詳細

 

1.概要
概要
2.メンバー
メンバー
3.研究班
研究班
    植物源農薬班
    微生物班
    天敵班
    農法班
4.研究成果
雑誌論文
学位論文
図書
学会発表
その他の出版物等
5.研究報告会
研究報告会
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「プロジェクト名 : 新農法確立のための生物農薬など新素材開発」  
1.概 要

■概 要

プロジェクトの目的・意義および計画の概要

近代農業は作物の単収増加を成し遂げ人類に多大に貢献した。特に戦後の化学合成農薬の進歩は、農業生産性に大きな効果をもたらした。一方、化学合成農薬などによる地球規模での汚染や環境ホルモン作用による生物存続への警鐘、さらに人への安全性が強く問われている。この問題解決には、従来型の合成農薬に代わる新技術「生物農薬等新素材」導入による、生態系に優しい生物的防除法を取り入れた新たな農法を構築することが必要である。このことは、従来の合成農薬にとって変わりうる「生物農薬等新素材」を開発し、農業環境汚染の少ない循環型農法の導入と地球環境汚染の軽減、食の安全性に大きく貢献することが期待できる。

本研究の特色は、生物間の生態を見極め、そこに関与する昆虫、微生物および植物との相関と、それらに働く生物機能を解析し、生物農薬等新素材を開発することである。その成果は、植物保護科学の研究発展に資することが可能であり、作物栽培法にも変革を促し新たな農法の構築も視野に入れた研究である。「生物農薬等新素材開発」の基本は、地域の自然界の生物間で行われている特徴的な現象の解明にあり地域特異的であり地域毎の研究体制を組織し、防除技術を創出することが必要である。

本研究は平成11年に開始され、平成15年度で終了した第1期の研究を、同一課題の下で継続実施するものであり、平成16年から5年間の研究を第2期と呼ぶ。研究の第1期では微生物、植物源農薬、天敵、および農法の4つの研究班を組織し、従来型の化学合成農薬に替わる新技術「生物農薬」による防除法を用いた新農法開発研究を、日本、ベトナム、インドネシアおよびペルーの4カ国で国際共同研究として実施した。共同研究協力校として、本学の姉妹校であるインドネシアのボゴール農業大学、ウダヤナ大学、ペルーのラ・モリーナ国立農業大学、ベトナムのハノイ農業大学に研究対象分野である生物農薬に業績のある代表者をおいた。

探索・調査・開発研究に傾注し、第1期では、多数の学術論文、図書、学会発表などの成果をあげた。 第2期では探索・開発研究・圃場実験を継続する一方、開発した新素材の実用化と普及を積極的に推進し、新農法の確立を図る。 また、タイ・カセサート大学を新たに研究組織に追加し、生物農薬使用への関心が急速に拡大しつつある熱帯アジアの主要な農業国を研究対象に加えた。

本研究組織は、4つの研究班をもとに、(1)植物と天敵昆虫の持つ生理生態活性物質の探索と農薬利用を進めること、(2)土壌中、農作物、雑草に寄生する微生物の探索と機能を開発すること、(3)昆虫ならびに寄生微生物の機能を解析し天敵としての利用による制御方法を確立すること、および(4)生物農薬を導入した防除技術のファーミングシステムへの体系化による新農法の構築を進めるなど、総合的で実学的な組織構成にしている。

また、本研究組織は東京農業大学大学院農学研究科と5つの海外姉妹校・協力校の研究者を束ね、当該国からの大学院留学生を関与させ、生物農薬に立脚する新農法研究の国際的拠点を形成するという特徴を持つ。

研究対象作物

1.インドネシア:野菜、コメ
2.ベトナム:コメ、野菜
3.ペルー:ジャガイモ、野菜
4.タイ:コメ、野菜
5.日本:コメ、ジャガイモ、野菜

 

研究組織

研究分担者は、本学の大学院農学研究科ならびに総合研究所の教員を核としている。さらに、共同研究協力校である姉妹校のインドネシアのボゴール農業大学、ウダヤナ大学、ペルーのラ・モリーナ国立農業大学、ベトナムのハノイ農業大学、タイのカセサート大学には研究対象分野である生物農薬に業績のある代表者をおき、そのもとに研究分野毎に現地研究者を組織する一方、本学総合研究所の産学協力研究会である生物的防除部会ならびに企業、試験研究機関の研究者の参加協力がはかれる体制とした。植物病理、ウイルス、雑草分野の研究者は、微生物探索とその利用について、農薬・化学生態学研究者は、植物を材料とした植物源農薬の作出を、応用昆虫関連研究者は、天敵の探索と利用法を、農業経済および作物学分野の研究者は生物農薬を導入した作物生産技術の体系化を図り生物間現象の解明による新農法を構築することとし、基礎から応用研究までの研究者を組織化した。各研究分野の組織が密に連携できるように各分野に班長をおき各班相互ならびに各班と姉妹校代表者との連携がはかれる体制を構築し、生物農薬等新素材の創出による新農法の確立を目指す総合的な組織で研究を実施している。

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