■天敵班
昆虫寄生微生物の機能解析と天敵利用による制御
昆虫病原性糸状菌は、昆虫に特異的に寄生し病死させる。これまでの調査研究により東南アジア、南米に於いて調査探索し、約70種の昆虫病死体から病原性糸状菌を分離した。その数、17種類を確認した。特にコナガについては、インドネシアから採取したハムシから分離された病原菌は感染力が強く非常に有望であることが判明している。更に潜在的に有望な病原糸状菌が数種類存在する。今後は、各種昆虫への感染力の検討をし、圃場での有効性の再検証そして実用化を進める。また、大量培養については、これまでの研究からコナガ細胞の体外培養系の確立実験から、コナガ胚組織から大量培養系の確立一歩手前に来ており今後大きな発展が期待できる。ベトナム水田害虫のアザミウマ、カメムシ類の天敵トゲサシガメ、ユミアシサシガメが有効であることからこれらの大量飼育法の開発を実施する。インドネシアにおいて野菜害虫のコナガやケブカノメイガの天敵であるセイヨウヒメアメバチ、コナガサムライコマユバチが有効であることからその飼育法の開発と実用化を図る。組み替え技術により天敵昆虫の作出を試みる。
すなわち、本研究班では、(1)土着天敵の探索と有効性検討、(2)病原微生物大量培養法の検討、(3)形質転換昆虫の作出、(4)天敵大量培養法の確立、(5)昆虫の生理活性物質(フェロモン等)の利用による防除法の確立、および(6)天敵利用による防除法の確立、について研究を遂行する。
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▲アザミウマに産卵するアザミウマヒメコバチ |
▲ヨコバイを捕食するキベリユミアシサシガメ |
▲土着天敵の活用(コモリグモ) |
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▲土着天敵の活用(寄生蜂) |
▲キャベツとハーブの混植による天敵の誘引・活性化 |
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