農生命科学研究所 Research Institute for Agricultural and Life Sciences

メニュー

実学主義の理念を支える東京農大の戦略的研究

機能性食品成分の腸管シグナル制御を介した作用機構の解明に関する研究

井上 順

応用生物科学部・農芸化学科
栄養生化学研究室 教授

キーワード:抗肥満・食品成分

この研究に取り組もうとしたきっかけはなんですか?

 食品の機能で健康を維持することは、超高齢化社会を迎える我が国にとって有効な手段だと考えられます。しかし世間では、本当に効果があるのか疑わしい食品の機能を想像させる広告がたくさんあります。実際の食品が持つ機能を超える過剰なアピールは、結果的には食品による健康維持に胡散臭いイメージを植え付けることにつながります。そこで、食品に含まれる有効成分を見つけて、どのようなメカニズムで作用するのかを明らかにすることで、科学的根拠のある機能性食品の創出に関わりたいと考えました。

研究を進めるうえでの工夫や特徴はありますか?

 日本人の死因の上位を占める動脈硬化性疾患の予防効果をもつ食品成分、具体的には抗肥満作用や血中の悪玉コレステロールを低下させる成分を探索しています。効果を簡便に判別できる評価系を構築し、食品から精製した300種類を超える食品由来成分からの探索を行いました。その結果、ホップに含まれるキサントフモールやブロッコリーから精製されるスルフォラファンを見出しました。これらの成分が生体にどのように作用するのかを解析するため、受容体(成分と結合するタンパク質)の探索や、そのタンパク質の機能にどのような影響を与えるのかについて研究を行っています。

今後の展望、期待される効果はなんですか?

 食品が体に取り込まれて肝臓や筋肉等の代謝の中心臓器で作用することに加えて、吸収されることなく腸内細菌へ作用することでヒトの代謝を変動させることも明らかになってきています。これは体内への取り込みが低い成分が効果を発揮する作用点として現在注目されています。今後、食品がどのように作用するのか、その分子レベルでの作用メカニズムの解明により、食品機能を正確に理解すると共に、基礎科学の発展に寄与していきたいと考えています。

研究実績 http://dbs.nodai.ac.jp/html/100001182_ja.html
農芸化学科 https://www.nodai.ac.jp/academics/app/app/

ページの先頭へ