農生命科学研究所 Research Institute for Agricultural and Life Sciences

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実学主義の理念を支える東京農大の戦略的研究

国産麻黄自給率10%達成に向けた研究

御影 雅幸

農学部 生物資源開発学科
薬用資源学研究室 教授

キーワード:麻黄、生薬国産化、薬用作物

この研究に取り組もうとしたきっかけはなんですか?

 代表者は1983年のネパールヒマラヤにおける学術調査以来、漢方生薬「麻黄」の原料植物であるマオウ科マオウ属植物について、多様性をキーワードとして学際的に研究してきました。一方、漢方医学が国民医療の一端を担うようになって半世紀近くになりますが、漢方薬の原料となる生薬は依然として90%強を輸入に依存しており、安定供給のためには国産化が不可欠です。マオウ属植物研究の集大成として、葛根湯などに配合される麻黄の国産化研究に着手することにしました。

研究を進めるうえでの工夫や特徴はありますか?

 麻黄の栽培は原産地の中国では1980年代から始まりましたが、栽培品は野生品に比して有効成分のアルカロイド含量が低いことが問題になっています。医薬品を規定する『日本薬局方』では麻黄は総アルカロイド含量が0.7%以上であるとしており、医薬品として出荷するにはこの基準を満たす必要があります。中国では専ら野生株の種子から育苗していますが、我々は保有株の中から優良株を選抜し、栄養繁殖した株を栽培することで高品質な医薬品「麻黄」の国産化を目指しています。

今後の展望、期待される効果はなんですか?

 薬用作物の栽培には生産物が医薬品としての基準を満たすこと以外にも、基本的に農薬が使用出来ない、栽培品種や栽培方法が確立されていない、予め薬価が定められているなど、他の農作物とは異なる点が多く、薬用作物に特化した栽培技術を新たに開発する必要があります。麻黄の国産化研究は軌道に乗りつつあり、今後は他の生薬の国産化も指向し、農学部に新たな研究分野として根付かせることで、国民医療への貢献も期待されます。

研究実績 http://dbs.nodai.ac.jp/html/100000861_ja.html
生物資源開発学科 https://www.nodai.ac.jp/academics/agri/bio/

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