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カブトエビ

カブトエビは約2億年前からほとんど姿を変えずに生き続けていることから、
「生きた化石」と言われています。
私たちの研究室では、カブトエビの特異な発生と生態に着目し、
農業に利用する試みをしています。

カブトエビの分類は次のようになります。
節足動物門 甲殻類 ミジンコ亜鋼 カブトエビ目 カブトエビ科 カブトエビ属
アメリカカブトエビ:Triops.longicaudatus
アジアカブトエビ:T.granarius
ヨーロッパカブトエビ:T.cancriformis
オーストラリアカブトエビ:T.australiensis

これらのうち、アメリカカブトエビは北海道、沖縄を除いた本州全域に、
アジアカブトエビは沖縄を除いた関東以南全域に、
ヨーロッパカブトエビは山形県で天然記念物に指定されているほか、
宮城県・栃木県などでも確認されています。
5月〜6月の田植えの終わる頃から、
1〜2ヶ月後ぐらいまでの水田で、その姿を見ることが出来ます。

アメリカカブトエビ成体
カブトエビの特徴

  • 雑食でボウフラや雑草などをよく食べる。
  • 長期間の乾燥に耐える卵 (耐久卵) を大量に産む。
  • 一度定着すると、耐久卵が残っている限り、半永久的に発生する。
  • 農薬を入れると死んでしまうため、生息していると無農薬の証となる。
  • 指標生物でもあるので、生息していると水がきれいな証となる。


カブトエビの利用可能性

雑草防除
カブトエビは摂食・産卵行動のため、絶えず脚を動かして土を掘り起こしています。
このことにより、水田中の雑草の種や幼芽を浮かび上がらせ、
また、その際に巻き上がった土が水をにごらせることによって、雑草の光合成を阻害します。


無農薬米作り
カブトエビは農薬に対する感受性が極めて高いため、農薬施用環境下では生息不可能です。
つまりカブトエビが生息している水田は、それだけで無農薬栽培をしている証拠となります。
近年、消費者の食品に対する安全志向が高まっていることから、低コスト・省労力でロハスな米作りができるカブトエビ農法を全国に広めるべく私たちの研究室では20年前から埼玉県秩父市吉田で地元の「カブトエビを守る会」と共に、カブトエビの除草効果の調査と無農薬米作りに取り組んでいます。


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