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応用生物科学部醸造科学科 醸友会

助手就任のご挨拶

醸造環境科学研究室  助手 海老澤拓哉

平成26年4月より醸造科学科醸造環境科学研究室に助手として勤務しております海老澤拓哉と申します。自らが学んだ東京農業大学に、指導する立場として籍を置かせていただいたことに喜びと同時に大きな責任を感じています。若輩者ではございますが、醸造科学科の発展のため微力を尽くしてまいりたいと思います。諸先生方、先輩方におかれましてはご指導ご鞭撻の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は平成19年4月に東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学いたしました。入学当初は「もやしもん」という漫画の影響で醸造=食品製造という認識しか持っていませんでした。しかし、授業の中で食品産業以外での微生物のはたらき、特に微生物の力を利用したエネルギー生成や環境浄化に興味を持ちました。当時、石油価格の高騰や地球温暖化などが社会問題となっており、そうした環境問題の解決に微生物の持つ能力を活かしたいと考えるようになりました。

そこで、4年次から博士前期課程までの3年間、醸造環境科学研究室に在籍し、鈴木昌治教授のもとで食品廃棄物を用いたメタン発酵について研究を行いました。メタン発酵は、都市ガスの主成分となるメタンを作るだけでなく、食品製造業などから発生する食品廃棄物や、下水処理場から発生する下水汚泥といった有機性廃棄物の処理が可能な技術として注目されています。世田谷キャンパス内のエコテクゾーンに、生ごみを1日100kg処理できるメタン発酵プラントがあり、そのプラントを使用して実験を行っていました。ひとことで実験と言っても、発酵槽の水質分析、バイオガスの成分分析を行なうだけではなく、小学校から届く残飯を量り分けたり、時には配管に手を突っ込んで詰まりを直したりと、プラントの運営・保守点検も行なってきました。ラボスケールの実験にとどまらず、現場レベルの活動も身を以て経験することができたのは、自らの人生の中で非常に貴重な糧となりました。

東京農業大学には「実学主義」という素晴らしいモットーがあります。研究者、指導者としてはまだ日も浅い身ではありますが、自らの経験を学生達への指導に活かし、醸造学の発展に貢献していきたいと思います。以上簡単ではございますが、新任の挨拶とさせていただきます。これから精一杯努力して参りますのでなにとぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

写真 メタン発酵プラント。世田谷キャンパス内に設置されており、キャンパス見学会やホームカミングデイなどで見学コースが組まれている。

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